■「ソラレン」を多く含む柑橘類とセリ科の食材
国内外の文献などによると、ソラレンを含む代表的な食材は柑橘類とセリ科の野菜。柑橘類のグレープフルーツ、ビターオレンジは皮や実の浅い部分に含まれるという。ほかにもベルガモットやかぼす、レモンやライムなど。セリ科の野菜であるパセリやセロリ、コリアンダーにも含まれているという。
「たとえば、ランチでセロリなどの野菜スティックを日の当たるテラス席で食べたりするのは要注意。レモンなどは食べるというよりも、搾ってサラダや飲み物に入れるといったことで活用するケースが多いでしょう。柑橘類は皮にあるつぶつぶした油胞がはじけて香り成分が飛び散るので、スライスしたり折り曲げて搾ったりする時点で皮から香り成分が飛んでいることになります」
ベルガモットを紅茶に、かぼすを魚になど、香りづけをする使い方も多いだろう。いずれも搾ったときに、香り成分が飛び散るので要注意だ。
また「アロマテラピー」も、柑橘系のアロマをたいているときには空気中にソラレンが漂うので、朝は部屋全体への芳香浴はやめておこう。
「ほかにも、昔、きゅうりのスライスやすりおろしたもので目のまわりにパックをするといった美容法がはやりました。きゅうりはウリ科ですが、皮に近いところにソラレンが含まれているため、肌の上にのせると紫外線の吸収を促してしまい、逆効果です。含まれている量は微量でも、日中は控えたほうがいいでしょう」
一方で、これらの食品には美肌効果のあるビタミンCも含まれているので、効果を最大限得るためには香り成分に触れた後の対策を徹底したい。日中外に出る前に、紫外線の吸収を高める食べ物に触れた際には、手や腕、顔を洗うこと。その後にUVケアの塗布や日よけをすれば安心だ。また、唐揚げや天ぷら定食などレモンを搾る食事も、紫外線を気にするのならランチではなく夕食にしたほうがいい。
■朝避けたほうがいいこと、積極的に取るといいもの
朝、ソラレンを含む食材をスムージーにして飲むのはいいが、包丁でカットするときにソラレンが飛び散るので、あまり細かくカットしないでミキサーに入れると、ソラレンが飛び散るのを少しは防げる。朝食べる果物や野菜は、ソラレンを含まない、抗酸化作用の強い物を選んで食べたいところ。
「ブルーベリーやチェリーなどは、強い抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、アントシアニンを含んでいるのが特徴です。最強なのは、高い抗酸化力を発揮するリコピンが取れるトマト。ほうれん草、ブロッコリーなども、抗酸化力が高いビタミンCやビタミンEが豊富ですよ」
これから紫外線のピークがやってくる。知識をつけ、体の外からも中からも賢くUVケアをして、美肌をキープしよう。