「今の活動のきっかけは、大学4年生の卒業研究のために、『DJみそしるとMCごはん〜くいしんぼうヒップホップ〜』という名目で料理レシピをラップにした作品を作って、動画サイトのYouTubeに投稿したのが始まり。当時は、まさか自分がラッパーになるとは思ってもみませんでした」
そう話すのは、オリジナルのラップにのせて、家庭料理のレシピを紹介する新感覚料理番組『ごちそんぐDJ』(NHK・Eテレ)に出演中のDJみそしるとMCごはん(通称・おみそはん)。独特のリズムと自身がアートディレクションを手掛けているミュージックビデオ映像は、子供からお年寄りまで世代を問わず人気を集めている。
おみそはんの楽曲は、歌詞が料理の手順になっているため、1曲歌い上げると家庭料理が1品作れるところも魅力だ。
「レシピ本を広げながら料理すると、本を油で汚してしまったり、入れるはずの調味料を見落として深みのない料理を作ってしまったり。どうやったら本に惑わされることなく、スムーズに楽しく料理ができるかな、と考えて『レシピをラップにしよう!』とひらめきました」
Eテレ『ごちそんぐDJ』では、家庭料理からお弁当、スイーツなど幅広くオリジナルレシピを紹介している。
「企画から番組スタッフと一緒に考えています。曲を聴いた人がちゃんと作れるように1曲1曲料理の試作をして検証してから歌にしています。昔は、自分は料理人じゃないので、レシピを提案するのに不安があったから、試作品を人に食べてもらうのも恥ずかしくて。けど、今は失敗作も含めて全部人に見てもらって作るのが大事だなって気づいた。最近は、1週間に4種類くらい同時進行でレシピを作っています!」
ますます今後の活動に期待が高まる彼女の目標とは。
「私の楽曲を聴いた人が、『これなら私でもできそう』って思ってもらえる、キッチンに立つきっかけになる曲作りをしていきたい」