「鮭は塩との相性が極めていい魚です。うまく焼けば塩焼きはシンプルだけど、たまらないおいしさになります」
そう語るのは、元漁師で元水産庁職員の上田勝彦さん。魚食の復興のため漁業関係者向けの講習会、料理教室の講師などテレビほかで「魚の伝道師」として活躍中だ。まさに今、秋鮭の旬。そこで、上田さんにいつもの焼き鮭をMAXにおいしくする“1・7・2”の焼き方を教えてもらった。
まずは下準備から。
■塩鮭にも生鮭にも共通の大事な下準備2つ!
【1】水で3秒洗って臭みを取る!
流水でさっと約3秒、魚の表面をすばやくなでながら洗う。
【2】余計な水分をしっかり取る!
キッチンペーパーなどで、挟むようにしてしっかり水分を取る。
■生鮭なら、この塩の振り方で大違い
【1】一段塩! 切り身全体に塩をまぶす
ぬれた手にひとつまみ塩をつけ、身にまんべんなくまぶす。
【2】二段塩! 10分程度置いてさらに塩を振る
焼く前に塩を指先につけ、指ではじくように身に塩を振っていく。
次に、焼き方。
■フライパンで!
【1】皮目の部分を約10秒“押し焼き”する
フライパンに薄く油をひいて中火で熱し、皮目を指で強く押し付けるようにしながら約10秒焼く。皮をパリッとさせる。“1・7・2”の1は、この10秒の“1”。
【2】そのまま置いて身を7割程度焼き、返す
身を焼き、横から見て下から7割程度が白くなり熱が通ったら、返してもう片方も焼く。“1・7・2”の“7”は、7割程度の“7”。
【3】そのまま約20秒焼いたら皮目を仕上げ焼き!
片面の残り2割にも火を入れ、再び皮目をフライパンに押し当てカリッと仕上げる。“1・7・2”の2は、この20秒の“2”。
■魚焼きグリルで!
片面グリルの場合、中火で、まず皮目を乾く程度に焼く。ひっくり返して身側を7割焼き、皮目にもどして焼き上げる。両面グリルは焼き網に油を塗り魚を置き、「焼き魚コース」で焼く。ポイントはどちらのグリルも水を張らず、アルミホイルをしくこと。
「焼き鮭で大事なのは、まず流水で臭みを取ること。やりすぎると身がふやけて台無しなので注意。あとは身と皮を焼くバランスが命。この焼き方、ぜひ試してみてください」(上田さん)