飲めばおいしい!体にいい!健康飲料として定着してきた「あま酒」だが、じつは調味料として非常に優秀なのだという。現在発売中の『料理用あま酒、はじめました。』(光文社)では、あま酒がいかに魔法の調味料であるか、その魅力を大解剖している。
塩こうじのようにどんな料理にも使え、さらに、塩分もあとから調整できるのが素晴らしいところ。料理に甘みをプラスするだけでなく、食材のくさみを消したり、うまみを出したり……あま酒ひとつで、砂糖や酒、だしの役割をはたしてくれるから、使う調味料や工程がシンプルになり、毎日の料理が驚くほどおいしく変身というわけだ。
ところで、あま酒には2種類あることをご存じだろうか?「こうじと米で作られたもの(こうじあま酒)」と、「酒かすに砂糖などを混ぜて作られたもの(酒かすあま酒)」。前者の「こうじあま酒」が甘いのは発酵の力によるもので、こうじ菌が米のデンプンを分解し、ブドウ糖や麦芽糖、オリゴ糖に変化させるから。さらにそのとき、アミノ酸やビタミン類、食物繊維など、砂糖にはない栄養成分が生まれるという。
まずは、砂糖の代わりに料理に使ってみよう。使用するのは「酒かすあま酒」ではなく「こうじあま酒」。ただし、製品によって甘さやとろみが違うので、分量を調整しながら好みの味に仕上げること。塩分が加えられている場合は、塩加減をみて使用する。なお、ふだんの料理にあま酒を使いたい場合、「砂糖大さじ1=あま酒大さじ5」を目安に置き換えるといい。和洋を問わず、シュガーフリーのメニューが実現する。
【サバのあま酒みそ煮】
<材料>2人分
サバの切り身…2切れ
長ねぎ…1本
しょうがの薄切り(皮つき)…1かけ分
あま酒…100ml
貝割れ菜…適量
みそ…大さじ2
<作り方>
(1)サバは皮目に切り込みを入れ、熱湯をかけてくさみを除く。長ねぎは5㎝ほどの筒切りにする。
(2)鍋に水300ml、あま酒、しょうが、長ねぎを入れて煮立てる。サバの皮目を上にして加え、紙ぶたをし、さらにふたをして5分煮る。
(3)2の煮汁を少しとってみそを溶かし、鍋に戻し入れる。ふたを少し開け、弱火で10分ほど煮る。器に盛り、貝割れ菜を添える。
その味は――?あま酒によるまろやかな甘さで、コクはあるのにあっさり、すっきり。ひと口目から最後まで、飽きずにおいしくいただける。青魚特有のくさみも、あま酒の効果で気にならなくなるので、魚料理初心者でも特別なワザは不要。身はしまることなく、ふんわり。あま酒のとろみで味がよくからむ。みそ煮に限らず、青魚との相性は折紙つき!
『料理用あま酒、はじめました。』
「あま酒」は魔法の調味料!「砂糖代わりに」「小麦粉代わりに」「だし代わりに」使えるヘルシー・レシピのほか、「肉や卵がフワッフワに仕上がる」驚きのレシピ、さらには、「いつものスープやドリンクにちょい足し」アイデアなど、発酵料理を研究する著者・舘野真知子の集大成ともいえる1冊。あま酒ひとつで、毎日の調理がシンプルに、料理がおいしく大変身する。
著者:舘野真知子
価格:1,300円+税
出版社:光文社(ジェイブックス)