先日、「ガリガリ君」(赤城乳業)をめぐってある騒動があった。フジテレビの『ノンストップ!』で、じっさいには存在しない「火星ヤシ味」を、季節限定商品の1つとして紹介してしまったのだ。
これまでにも「ナポリタン味」など、ユニークな商品で話題を呼んできた「ガリガリ君」。その人気から、ファンたちがさまざまな架空のパッケージをネット上にアップしており、番組スタッフがそれを本物と勘違いしたというのがその顛末だ。お粗末なエピソードではあるが、こんな騒動が起こるのも日本人の“アイス愛”の強さゆえだろう。
今回本誌では、そんなアイス愛に応えるべく、定番から懐かし商品までのアイストリビアを厳選。これを読めば、おなじみのアイスが、より身近に感じられるかも。
■ガリガリ君には妹がいる
「ガリガリ君」の発売開始は’81年。同社のカップかき氷「赤城しぐれ」がヒットしたことから、「子どもが遊びながら片手で食べられるかき氷ができないか?」と開発がスタートしたという。当時、本格的に普及しはじめたコンビニの成長とともに販売数を伸ばし、今や年間の売り上げは4億本超。まさに国民的アイスとなった「ガリガリ君」だが、実は彼には外見のそっくりな妹「ガリ子ちゃん」がいるのだ。
初登場は’06年。「やわらかクリームソーダ味」など2種類が販売されていたが、’11年以降は姿を消していた。しかし、昨年5年ぶりに「やわらか白いサワー」で復活し、今年1月には「フルーツミックス」も登場(※現在は販売終了)した。兄妹という設定だが、その登場は『ドラえもん』のドラミちゃんばりに不定期なのだ。
■チョコがパリパリではなかったチョコモナカジャンボ
今年で発売45周年を迎える「チョコモナカジャンボ」(森永製菓)。こちらも10年連続でアイスクリーム類の年間単品売上高トップを記録するなど、「ガリガリ君」に負けず劣らずの国民的アイスだと言ってよいだろう。
しかし、この“超定番”も実は発売開始時(’72年)とだいぶ趣きが変わっているのだ。モナカの内側にチョコスプレーを施しただけだった当初のタイプから、’80年にはアイスの中にチョコレートソースを入れ、そして’96年にはそのソースをパリパリチョコへと変更。これを機に、爆発的なヒットにつながった。
■ホームランバー成功の理由はデンマークにあった
アイスクリームが高級品だった’55年当時、1本10円という安さで大ヒットした「ホームランバー」(協同乳業)。1日20万本の製造が可能なデンマーク製の大型バー製造マシンを導入したことにより、その価格を実現させたのだ。ちなみに酪農が盛んなデンマークは、良質な乳製品のイメージがあり、「ハーゲンダッツ」の“ハーゲン”も、デンマークの首都コペンハーゲンから取られたという。
■九州限定だったうまか棒
アイスバーにチョコナッツをコーティングした斬新さと、博多弁の「うまか(おいしい)」を入れた商品名で九州人の心を捉えた「うまか棒」(明治)。当初は九州限定商品だったにもかかわらず、発売から3カ月で3,000万本という大ヒット商品に!翌’80年には全国展開を果たした。
■チューペットという名前の商品はもうない(涙)
「チューチュー」「ポッキン」など、地方によって呼び名が違うあの氷菓。その本家「チューペット」(前田産業)は、実はもう存在していない。’75年の発売開始以来、「真ん中でポキッと折れる」氷菓の代名詞だったが、’09年にカビ混入事件が起き、あえなく生産中止となっていた……。