会社の同僚だった井出有希さんと飯田陽狩さんが出産を機に始めたビジネスは、出張シェフサービス「シェアダイン」。英語の「share=分ける」と「dine=食事する」を組み合わせた造語だ。
「シェフの出張料理サービスなんてぜいたくなのでは?」「料金が高いのでは?」と考える人もいるだろうが、シェアダインの価格設定は、一回の利用で6800円~(食材費は別)。平均的な家族(4人)の3~5日分の食事を作ってくれるので、その間の夕食に悩む必要はない。そう考えると悪くない料金ではないだろうか。この価格帯はシェフ側の希望も盛り込まれているというので、両者にとってウィンウィンのサービスだといえる。
起業した井出さんと飯田さんは共に働くママだが、このサービスをあらゆる世代に使ってもらえるよう、乳幼児~高齢者までライフステージに合わせたサービスを用意している。
「シェフの中には糖尿病や高血圧など生活習慣病対応の食事を作れる栄養士の資格保有者もいますし、妊活のための食事療法や、アレルギー対応ができる者もいます。これまで約900人のシェフが登録してくれていますが、今年は新型コロナウイルスの影響が外食産業に及んだため、登録が増えました。一流ホテルのシェフの方にもご登録いただいています」(飯田さん)
一流ホテルのシェフが自宅でフレンチやイタリアンを料理してくれると考えるとワクワクすること間違いなしだ。
「シェフたちはレシピも教えてくれるのでこちらのレパートリーも広がります。私はタレを教えてもらって、よく漬け置きをよくしています。ちょっとした副菜が5分でできるんです」(井出さん)
「私も白和えを簡単においしく作るのに乾物を入れるといいことなど、ちょっとしたコツをいつも教えてもらっています」(飯田さん)
出張シェフサービスは3時間という制限時間内に、3~5日分の料理、10~12品(目安)を作ってくれる。
新型コロナウイルスによる自粛で主婦の負担が増えたという家庭は多いだろう。このサービスは、主婦の負担を軽減してくれるだけでなく、シェフによる新しい味を味わえるというメリットもある。
「私たちはお料理が、ただ栄養の計算だけじゃなく、コミュニケーションツールのひとつだとも考えています。おいしいお料理を食べると幸せな気持ちになって、会話が増えたりするものですが、その体験を出張シェフサービスから味わっていただければ嬉しいです」(井出さん)
出張シェフサービス「シェアダイン」
https://sharedine.me