「脳と筋肉の反応を、20代をピークとすると、50代には半減し鈍くなるといわれています。でも、50歳の反応を5年間維持できれば、55歳になったとき『5歳若返る』ことになります」
そう語るのは『ぜんぜん頑張らない「うんどう」教室』(フォレスト出版)の著者であり、公益財団法人「体力つくり指導協会」理事の西城眞人さん(70)。西城さんが提唱する“うんどう”では、年齢にあらがうアンチエイジングよりも、上手に年を重ねるサクセスフルエイジングを目指す。
「気負う必要はなく、育児や仕事、家事をする主婦が日常生活のなかでちょっと意識するだけで、10年後、20年後『動く身体』を維持できる、バカバカしいくらい簡単な方法はあるんです」(西城さん)
以下に、日常生活のあらゆる場面でできる“うんどう”を紹介。
《通勤》電車の中で携帯電話の画面に見入って猫背になってしまうのはNG。おへその下を意識して力を入れれば、ひざの負担が減って、ちょっとしたコア・トレーニングに。
《デスクワーク》だらっと背もたれに背中をつけていないか確認を。背もたれを利用しないだけでも、十分に筋トレになる。足を組んだり、開きっぱなしにしている人は、1日数回でもいいので、意識的に両ひざをくっつけて、姿勢を正すとよい。
《家事》スーパーのレジでの待ち時間には、おなかを引っ込めて太ももを硬くすることに挑戦を。とにかくおなかを引っ込める。この癖さえ身につければ、膝、腰の負担が減り、脂肪燃焼率もアップ。
《育児》子どもとの散歩は、最高の“うんどう”タイム。おへそと肛門に力を入れ、太ももを硬くする感じで歩くとよい。赤ちゃんを抱っこするときは、上半身をかがめただけで持ち上げようとすると、ギックリ腰の原因にも。しっかりひざを曲げ、しゃがんだ状態から、スクワットの要領で腹筋を意識して抱き上げる。これだけで筋トレに。