「更年期以降、女性に急増する脳卒中。脳卒中は男性に多いといわれますが、女性も女性ホルモンの分泌量が減少すると血管のしなやかさが失われ、発症リスクは上昇。がん、心疾患についで女性の死因の第3位でもありますので、若いときよりも注意が必要です」

 

そう語るのは、順天堂大学教授の小林弘幸先生。小林先生は、脳卒中予防には生活習慣が重要ということはもはや常識だと言う。

 

「実はこうした複合的な研究は数少ないのですが、スウェーデンのカロリンスカ研究所が10月8日、医学雑誌『Neurology』にその結果を発表しました。研究対象となったのは、平均年齢60歳の女性約3万人。生活習慣などについて350のアンケートをおこない、健康的なライフスタイルが抽出されました」

 

その抽出された黄金生活習慣は次の5つ。

 

【1】健康的な食品の摂取

【2】適度なアルコール摂取

【3】喫煙歴なし

【4】適度な運動をしている(1日40分以上のウオーキングと、週1時間以上の活発な運動)

【5】BMI25以下

 

「研究では、96種類の食品の摂取頻度を尋ね、各食品の健康度合いを基に『推定食品の摂取スコア』を算定。上位50%以内に入る参加者を、健康的な食生活を送っているとみなしました。具体的には、野菜、果物、豆類、全粒穀物、低脂肪乳製品、ナッツなどが挙げられています。また、1日のアルコール摂取量5〜15グラム。これは、ビールなら300ミリリットル弱、ワインやカクテルならグラス1杯弱です」

 

その後、平均10.4年間の追跡調査をしたところ、該当する項目が多いほど、脳卒中の発症率は段階的に低下した。

 

「さらに、5つの項目すべてに当てはまる女性は、ひとつも当てはまらなかった女性に比べて、脳卒中のリスクが54%低下と半減!とくに、脳卒中の8割以上を占める脳梗塞は38%と、6割以上も発症リスクが低下したのです。生活習慣がどれだけ重要か、こうして数字で見ると、よりわかりやすいですね」

 

ちなみに、各項目で見た場合、より重要だったのが「食事」と「禁煙」「BMI」だった。

 

「喫煙は血管を収縮させ血液の粘度も高めますので、医師として、禁煙は強くおすすめしたいところです。更年期以降は、ホルモンの減少によって内臓脂肪も増えやすくなるので、体形コントロールも重要。そのためには、当然、食事への気配りも必要になってくるでしょう」

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