病院で処方される医薬品と同じ成分を、同じ分量だけ配合した市販薬が人気を集めている。病院と同じ薬をドラッグストアで買えるというのが、売れている理由。健康保険がきかない分、値段は高くなるが、忙しくて病院に行く時間のない会社員などに重宝されているようだ。花粉症シーズンは、とくに病院が混み合うため、花粉対策医薬品を購入する人が多いという。

 

ロート製薬が’14年に発売した目薬「ロート アルガード プレテクト(以下「プレテクト」)も、そんな人気商品の1つ。医療用の点眼薬「リザベン」に含まれている成分「トラニラスト」を、処方薬と同じ濃度で配合している。

 

同社では、’86年に花粉対策医薬品の「アルガード」シリーズの販売を開始。その後、ラインナップを徐々に広げ、現在では、点眼薬だけでも、8つの商品を販売している。ロート製薬で、アルガードシリーズの商品情報提供を担当する、植松由起さんに聞いた。

 

「プレテクトの最大の特徴は、花粉の飛散開始2週間前から使うことで、ピークになったときの症状を軽くできることです。’14年に発売して以来、お客様からは『花粉症のピーク時にかゆみがなかった』『花粉症歴32年で、こんなにかゆくないのは初めて!』といった感想をいただいています」

 

先述したように、これは配合されているトラニラストの働きによるもの。

 

「そもそも、アレルギー症状の原因には『肥満細胞』と呼ばれる細胞が関わっています。この細胞は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを引き起こす『ヒスタミン』や『ロイコトリエン』といった化学伝達物質を蓄えているものです。アレルゲンである花粉が体内に入ると、この肥満細胞が割れて、中からヒスタミンが放出されます。トラニラストは、肥満細胞の膜を安定させることで、花粉が体内に入ってきても、ヒスタミンが放出されるのを防ぐ役目をしてくれるんです」

 

花粉が飛び始める前から使い続けることで、シーズンが始まったころには肥満細胞の膜が安定して、シーズン真っただ中になっても、ヒスタミンの放出が抑えられるという仕組みだ。植松さんは、トラニラストには、もうひとつ重要な働きがあると続ける。

 

「ヒスタミンが放出されて、実際に炎症が起きると、そこから新たに『インターロイキン』という物質が出てきます。これは肥満細胞を活性化させ、さらにアレルギー物質の放出を促す悪循環の元。トラニラストにはこの働きを止める効果もあります」

 

予防だけでなく、出てしまった症状が悪化するのも防いでくれる優れモノなのだ。

 

「そういう意味では、花粉が飛び始めてから使い始めても効果はあるのですが、プレテクトの特性を最大限に生かしてもらうには、やはりシーズン前からの使用が断然、おすすめです。早ければ2週間前、遅くても1週間前から使い始めてみてください」

 

効果も強くて便利な市販薬はたしかに増えている。ぜひ上手に活用しよう!

関連タグ: