「尿もれは介護が必要な後期高齢者や中高年のみならず、妊娠や出産を機に20〜30代の若い女性でも起こる症状です。どの世代でも起こりうることで、決して特別な問題ではありません」
そう教えてくれたのは、産婦人科医の宋美玄先生。宋先生が診察している出産前後の患者のなかでも、尿もれや頻尿に悩む女性は多いという。
「女性の4割を超える2,000万人以上が悩まされているといわれているのが、『腹圧性尿失禁』です。女性は男性より尿道が短いため、急に立ち上がったり重い荷物を持ち上げたとき、せきやくしゃみをしたときなど、おなかに力が入ったときに尿がもれてしまいがち。加齢や妊娠・出産により、尿道括約筋を含む骨盤底筋という筋肉が緩んでしまうと起こります。骨盤底筋の緩みを改善すれば、軽い腹圧性尿失禁は改善しますよ」(宋先生)
急に尿がしたくなり、我慢できずにもれてしまう「切迫性尿失禁」に悩む女性も多い。外出時や電車などに乗車中に、急に尿意をもよおしトイレに行きたくなるのだから、困ったものだ。予兆がない尿意におびえ、旅行やスポーツなどの楽しい活動を遠慮する人さえいるという。
そんな尿もれに悩む女性のSOSに呼応し、軽い尿もれ「軽失禁」ケア用品市場は拡大している。’16年度の販売金額は約300億円。前年比110%の伸びだ。そこで、軽失禁の専用ケアグッズを、軽失禁に悩む本誌記者(35)が実際に試してみた!
使いきりの吸水ライナー、吸水ナプキンは、「チャームナップ 吸水さらフィ」(ユニ・チャーム)や「ロリエ さらピュア」(花王)など、吸水量ごとに多くの商品が出ており、手軽にドラッグストアで購入できる。各メーカーが設定している1回の平均排尿量は約150ccだと把握しておこう。ショーツが少し湿るくらいの軽失禁の人には2〜10cc、ショーツがかなりぬれて量や頻度が気になる人は20〜100cc、ショーツがびっちょり濡れて洋服も汚してしまう人は120〜300ccをチョイスするのがベターだ。ちなみにおむつタイプは150cc(1回分)か300cc(2回分)のものが多い。
記者はこれまでおりもの用のライナーで代用していたが、夏は汗もかくため、ライナーがすぐに湿り、ムレてしまっていた。しかし、吸水ライナーに替えると、汗も含む水分の吸収力がよく、表面もサラサラで快適だ!もっと早くに出合いたかった!!宋先生も、きちんと軽失禁の専用ケアグッズを使ったほうがいいと指摘する。
「生理用品は月経血をゼリー化して閉じ込める構造なので、水分を受け止めるのに向いていないんです。殺菌・消臭効果や通気性なども専用ケアグッズのほうが優れています。基本的には1回もれてしまったら交換しましょう」(宋先生)
おむつタイプで人気の「リリーフ 超うす型 まるで下着」(花王)は店頭では見つけられず、インターネットで購入。かなり薄手の作りでモタつきなどもなく、パンツルックでも外から見てまったくわからないのはすごい!しかも、ピンク、ブルー、ラベンダー、アイボリーと4種類のカラー展開。使用頻度が高ければ、色を選ぶ楽しみもある。
インターネットで軽失禁用の布パッドも発見し、購入。北欧系のオシャレな柄とポップな色使いのかわいいパッドがたくさんあり、選ぶのも楽しい。ナプキンで肌がかぶれてしまう敏感肌の人にもオススメだ。しかし、マメではない記者には、洗濯するのが面倒くさかった……。
最後に、ガードルにチャレンジ。締めつけが強すぎると、ムレて肌がかゆくなるかもと不安だったが、丸1日外出時にはいていても、まったく問題なし!骨盤回りがギュッと締められ、尿道から尿がもれないようサポートされている安心感もある。吸水パッドつきなので、この1枚だけはけばOKだ。おなか回りもスッキリ。これはいいかも。
尿もれに悩む人は、一度試してみてはいかが?