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「健康寿命を延ばすためには、まず外見のケアを心がけてください。特に女性の場合、見た目が若く見える人ほど健康で長生きできる傾向が強いのです」

 

そう話すのは、アンチエイジングの専門家である白澤卓二先生。日本人女性の平均寿命は年々延びているが、健康寿命との差は約12年もある。

 

「健康に長生きするための秘訣が、外見の若々しさを保つことです。家事や仕事、趣味などに前向きに取り組み、生き生きとした毎日を送ることは脳の刺激にもなり、健康に導いてくれますし、ボケにくいという研究結果もあります」(白澤先生)

 

デンマークで70歳以上の双子1,826人を調査したところ、見た目年齢が若いほうが、より寿命が長かったという。ほぼ同じ遺伝子を持つ双子であっても、生活環境の差で、見た目年齢や寿命に差が出てくるのだ。

 

今回は、ある女性の朝~昼の生活スケジュールをモデルにして、健康寿命を延ばす生活習慣を、白澤先生にアドバイスしてもらった。

 

【AM6:00】眠気覚ましには、軽いストレッチ or 1杯の白湯?

 

寝ている間の汗や呼気で、起床時は体内の水分が減っている状態になっている。血液も老廃物や毒素がたまってドロドロに。さらに動脈も硬くなっているので、血栓ができやすく、心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが高い。そのためコップ1杯の水を飲んで、体内の状態を改善することが大切。ただし、冷たすぎたり熱すぎたりすると、起きぬけの体には刺激が強すぎるので、人肌に近い温度まで冷ました白湯がベスト。

 

「寝る前もコップ1杯の白湯を飲むと、脳梗塞や心筋梗塞の予防になります。起床後と就寝前の1杯、を習慣づけましょう」(白澤先生・以下同)

 

【AM7:30】朝ごはんを食べるなら、ごはん or パン?

 

咀嚼回数を比べると、食パンは1枚食べるのに350回かむのに対し、ごはんは茶わん1杯で600回かんでいると言われる。咀嚼は唾液の分泌を促すが、この唾液には「ペルオキシダーゼ」という成分が含まれており、活性酸素を減らし、がんを抑制する効果がある。

 

「それに、かむ力と下半身の筋力は比例していて、かむ力が強い人は転びにくいのです」

 

また、市販の食パンの主成分である小麦は認知症のリスクを高めるという。迷ったら日本の伝統食であるごはんを!

 

【AM8:30】食器を洗うなら、手洗い or 食洗器?

 

高齢化すると脳の前頭葉部分が萎縮してしまう。前頭葉には思考や感情、体を動かすなどさまざまな働きがあるが、手指を使うことにより、体を動かす機能を担っている運動野を刺激し、活性化できる。

 

「食洗器もかなり普及してきましたが、食器洗いは細かく指先を使うため、効果的だと思います」

 

時短を優先したいという人もいるだろうが、健康面のみでは手洗いに軍配が。

 

【AM10:00】パート先で上司に怒られたとき、涙ぐむ or 作り笑い?

 

リンパ球の一種であるナチュラルキラー細胞は、がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃する。笑うことによりナチュラルキラー細胞は活性化するが、たとえ心から笑っていなくても、口角を上げてニッコリするだけ、いわゆる“作り笑い”でもある程度の効果はあるという。ホルモンバランスが崩れ、精神が不安定になりがちなときにもおすすめだそう。

 

「もちろん無理に笑うだけでなく、いつも笑えるような環境をつくることも大切です」

 

白澤先生は健康寿命を延ばす生活習慣について、こう語る。

 

「ちょっと見直すだけで、皆さんの健康状態も劇的に改善されます。ぜひ参考にしてください」

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