「空気を吸うだけで太るのよ~」「食べてないのにおかしいわ~」が口グセのアナタ。その脂肪、年のせい……だけじゃないかも。“モナリザ症候群”の可能性アリです!
「ヤセにくくなるのは、加齢や体質のせいだけではありません。“モナリザ症候群”の可能性もあるんですよ」
こう語るのは、医師でジャーナリストの森田豊先生。
モナリザ症候群とは「Most Obesity kNown Are Low In Sympathetic Activity(肥満者の大多数は交感神経の働きが衰えている)」の頭文字を取ったもの。ふっくらした女性を描いたダビンチの名画とは関係ない。’90年に神戸で開催された国際肥満学会で、米国ルイジアナ州立大学のジョージ・ブレイ医師が「肥満の人の7割がモナリザ症候群」と発表したのが最初だという。
「臓器が無意識のうちに働き、血管が収縮するのは、私たちの体で自律神経が働いているから。自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つのバランスが崩れると、モナリザ症候群になるのです」(森田先生・以下同)
通常、活動量の多い日中に活発になる交感神経は、興奮したときに優位になる。交感神経が活発になると副腎からホルモンの一種、アドレナリンが分泌され、代謝が上がる。この状態で運動すると消費カロリーが上がり、脂肪燃焼効率もよくなる。
いっぽう、副交感神経はリラックスしたときに優位になる。夜間に副交感神経が優位になることが、良質な睡眠につながる。
「この2つはアクセルとブレーキのように相互に作用しますが、2つのバランスが崩れて交感神経の働きが低下すると、代謝量が落ち、ヤセにくい体質になります。自律神経のバランスは、おもに生活習慣の乱れによって崩れます」
そこで、モナリザ症候群を改善する、就寝時の“メリハリ生活習慣”を紹介。
■39度のお風呂に15分
39度ぐらいのぬるめの湯に15分ほどゆっくりつかると、リラックスして副交感神経の働きが高まり、深く眠れる。
■寝る前に10分ストレッチ
「就寝前のストレッチは筋肉や関節を柔軟にし、体を温めることになります。また、血流がよくなり、眠りの質も高まります」
関節を伸ばして10~20秒キープする程度のストレッチでOK。入浴後、ベッドの上などでリラックスして行おう。
■就寝の2時間前からスマホ断ち
不眠の原因の1つは、パソコンやスマホの見すぎ。特にスマホのブルーライトは、睡眠を誘発するメラトニンの分泌を阻害し、眠りを浅くする。
「近くのものを見ているとき、目の周りの毛様体筋は緊張しています。この間は交感神経が働きっぱなしになるので、長時間続けると自律神経のバランスが崩れます。就寝の2時間前からスマホチェックは控えましょう」
■就寝の5時間前からお酒NG
寝つきがよくないときこそ、寝酒はNGだ。
「飲酒の直後は一時的に眠くなりますが、時間の経過とともにアルコールに含まれるアセトアルデヒドが脳を刺激して交感神経を活発にし、眠りが浅くなります。十分な睡眠をとるためには、寝る5~6時間前にはお酒を飲むのをやめましょう」