「あれ? 前と同じ薬を同じ日数分もらったのに、金額が違う……」

 

きっかけは薬局で高脂血症の薬を毎月処方してもらっている本誌記者のこんな疑問からだった。先月はクリニック近くのA薬局で、今月は自宅近くのB薬局に処方箋を持っていったところ、B薬局の会計のほうが160円高いことに気づいた。

 

計算間違いかとB薬局で聞いてみると、薬剤師から、「ここは『地域支援体制加算』と『後発医薬品調剤体制加算』の適用薬局なので、その差額です」と説明を受けた。まったく同じ処方箋なのに、薬局によって支払額が違うの?

 

「みなさん、薬をもらうと、必ず『調剤明細書』を受け取ります。薬価はどこの薬局も同じですが、差が出るのは、『調剤技術料』と『薬学管理料』の項目。ここが立地や窓口でのやりとりなどによって異なり、調剤にかかる点数、すなわち支払額の差となっているのです」

 

医療保険に詳しいファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんはそう解説する。この調剤明細書をよく見ると、じつは気づかないうちに加算されている点数が多々あるという。そこで内藤さんが調剤明細書でわかる、損しないための「薬局選び」のポイントを教えてくれた。

 

■病院の前にある薬局は安い!

 

「ふだん、クリニックも総合病院もひとまとめに病院と呼びますが、健康保険上では、ベッド数20床以上の病院とそれ未満の診療所に分かれます。『調剤基本料2』となっていれば、病院の前にある薬局(門前薬局)。『調剤基本料1』は町の薬局。クリニックの前にあっても町の薬局扱いです。『1』のほうが『2』より50円以上割増しに(以下、金額はすべて3割負担の患者が支払う実費)。厚労省は、患者が身近な薬局で気軽に相談できることを目指しています。門前薬局は常に病院の患者が来るため、報酬が抑えられているのです」(内藤さん・以下同)

 

■ジェネリック薬をたくさん処方している薬局は高い!

 

「『後発医薬品調剤体制加算』の項目がある薬局は、取り扱い薬のうち、ジェネリック薬を75%以上処方していることを指します。割合に応じて、ほかの薬局より50円以上高くなります」

 

医療費負担を抑えたい厚労省が、安価なジェネリック薬を多く販売する薬局へ与えるご褒美ということだろうか……。

 

■おくすり手帳を忘れると加算!

 

毎回おくすり手帳を持たずに薬局に行き「大丈夫です。次は持参してください」と、薬剤師に言われた経験がある人も多いだろう。

 

「『大丈夫』というのは、持参しなくても処方はできますという意味。調剤明細書に『手帳なし』と書かれ、40円が請求されています」

 

以前はおくすり手帳を作るのに費用負担があったが、いまはタダ。毎回持参しなくては損するばかり。

 

■夜間・休日対応の薬局は高い!

 

「明細に『地域支援体制加算』という記載がある薬局は、ほかより110円高くなります。これは夜間や休日にも薬剤師が調剤してくれる薬局などに適用されます」

 

土日に処方してもらえるのは助かるが、その薬局に平日昼間にしか行かないというのなら、毎回110円はもったいないかも。

 

薬局によって異なる負担額。手元にある調剤明細書を一度じっくり見直してみては?