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日本人の3人に1人は慢性的な腰痛持ちであり、全人口の80%の人が、1度は腰に痛みを感じたことがあるという。プロ野球選手など数々の世界的アスリートや、十朱幸代さん、中山美穂さんをはじめとした女優、著名人を施術してきた「さかいクリニックグループ」院長の酒井慎太郎先生はこう語る。

 

「腰痛は、いちばん早く訪れる日本人の生活習慣病であり、国民病ではないかと思います。だいたい30~50代で発症し、最近では小学生の患者さんもいらっしゃいます」

 

その酒井先生が『100歳まで歩くには、椎間板をゆるめるしかない!』(幻冬舎)を出版した。「椎間板」とは、背骨の骨(椎骨)と骨の間にあるクッションのようなもの。血管や神経が通っておらず、鍛えることもできないため、故障すると再生しづらい部分だという。

 

「私たちはふつう、体を縦にした状態で生活をしていますが、人間の頭というのは非常に重く、体重の約10%もあります。その重い頭を支え、上体の体重を支えているのが背骨なのですが、背骨にかかる負担というのは相当なものがあります。そのため、背骨の負担を軽くするクッションのような役割を果たしているのが椎間板なのです」(酒井先生・以下同)

 

そしてこの椎間板は、年を重ねるごとにすり減っていく“デリケートな消耗品”なのだそう。加齢に加えて両親などからの遺伝的要素、さらには悪い姿勢をとり続けていると、加速度的にその摩耗が進んでいき、自分の体を支えることができなくなってしまうという。

 

椎間板がすり減り、背骨にかかる負担を軽くすることができなくなると、ぎっくり腰になりやすくなり、椎間板症から椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症へと、腰痛の症状が進行していく。同時に、肩こりや首痛といった症状が出始め、ひざにまでその影響が及び、最終的には寝たきりになってしまうというのだ。

 

では、椎間板への負担を減らすにはどうしたらいいのか。それは「適度に体を動かすこと」だと酒井先生は言う。椎間板を含めたすべての関節は、日々、可動域まできちんと動かさないと固まって動かなくなってしまう。一方、スポーツなどで同じ場所にずっと負担をかけ続けていても故障につながってしまう。だからこそ、ちょこちょこと家事をしたり、散歩をしたりといった“ごく軽い運動”が、椎間板のメンテナンスにはもっとも重要なのだ。

 

「現代人は仕事などで長時間同じ姿勢をしている人が多く、それがねこ背などの“悪い姿勢”だと、よけいに椎間板に負担がかかります。横になるとその負担が軽くなるのですが、寝ているときも同じ姿勢でい続けると、同じ場所に負担がかかってしまいます。ですから、寝返りを打つというのは、非常に重要なのです」

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