1日2分の「血管ほぐし」で脳梗塞・心筋梗塞を予防する

「血管の老化は心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重篤な疾患を招きますが、実は最近、高齢者とともに、血管年齢が高い若い人が増えているのです。30~40代で心臓の病気になり、手術を受ける人の血管年齢はだいたい60~70代で、実年齢よりも30歳ぐらい年をとっていました。運動不足で、偏食がちで食生活が乱れている、肥満傾向で、若いうちから生活習慣病にかかっている、といった共通点があります。特に、女性は閉経後に血管の機能が衰えてくるので、40代後半ぐらいから血管年齢を気にしたほうがいいでしょう」

 

そう警鐘を鳴らすのは、年間300超もの手術を手がける、東京女子医科大学病院心臓血管外科の新浪博士主任教授。心臓から押し出されて、動脈を流れる血液は酸素や栄養素を細胞へと運び、静脈を通り老廃物を回収する役割を果たしている。

 

健康な動脈は内側にある血管内皮細胞がなめらかで血液が滞りなく流れるが、生活習慣病などで血管が傷つき、しなやかさが失われると、血液の流れが悪くなり、高血圧や動脈硬化を招く。こうして血管年齢は年をとっていく。

 

血管年齢を若返らせるためには、生活習慣病を治して、動脈硬化を防ぐことが求められるが、もうひとつ、世界が注目している物質があるという。

 

「禁煙、減塩など正しい食生活を心がけて、太りすぎにならないように運動をするなどがこれまでの血管ケアの常識でしたが、近年の研究で、血液中の“一酸化窒素”の量が増えると血管がしなやかになり、血圧を正常にすることがわかりました。生活習慣病の改善とともに、血管の老化を防ぐ物質として今、世界から注目されているのが血液中の一酸化窒素なのです」

 

一酸化窒素といえば、’70年代に光化学スモッグや酸性雨の原因となる有害物質として認識されていたのが、’98年「一酸化窒素の生体内機能について」の研究が、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことから、血管の若返り物質として知られるようになった。

 

「しかも、体に張り巡らされているたくさんの血管のなかで、一酸化窒素がたくさん作られるのは動脈の内皮細胞だということもわかりました。一酸化窒素を増やすには血流量を増やすことです。運動や入浴など血流がアップしたときのほか、動脈が走る皮膚の上から、“もみほぐす”などの刺激を与えて、血流をアップさせるだけで、一酸化窒素の量を増やせます。皮膚の下を通る動脈が体のなかにいくつかあり、その部分を重点的にほぐして刺激を与えれば、一酸化窒素がたくさん産出できると考えたのが新浪式“血管ほぐし”です」

 

■「デコルテほぐし」目安時間各1分

 

鎖骨の下には太い血管の「鎖骨下動脈」が走っているので、その部分をもむようにマッサージして刺激を与えよう。

 

(1)左手を右の鎖骨下に当てる。
(2)指先で鎖骨の下の骨を感じながら、胸の筋肉を上下左右にもみほぐす。
(3)次に右手を左の鎖骨下に当て、(2)の手順で鎖骨下をもみほぐす。

 

■「わきの下ほぐし」目安時間各1分

 

血流をアップさせる太い血管のひとつ「腋窩動脈」に刺激を与える。

 

(1)左手を右のわきの下に入れ、くぼみに4本の指の腹を当てる。
(2)くぼみを軽く押したり、さすったりして刺激を与える。
(3)次に右手を左のわきの下に入れ、(2)の手順でわきの下を刺激する。

 

■「そけい部ほぐし」目安時間各5秒×5回

 

(1)椅子に座って、左右4本の指で左右の太ももの付け根部分に手を添える。
(2)4本の指で、そけい部をグッと押す。強さは痛気持ちいい程度で。

 

どの順番からやってもかまわないが、血管年齢を若返らせるためにも、毎日続けることが大切。健康寿命を延ばすためにも、まずは血管年齢を若返らせよう!

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