サプリと治療薬の併用に医師が警鐘、うつ症状起こす危険も

多くの人が複数種類以上飲んでいるといわれるサプリ。“とりあえず飲んでおけば、なんだか体調がいいから”といって大量に飲んでいると、“毒”にもなりえるのだーー。

 

「たとえば『飲むと調子がよくなる』といってビタミンB1のサプリを常用している人、炭酸飲料や甘いジュースを飲みすぎてはいませんか? ビタミンB1は体内で糖分を分解するときに大量に消費されるもの。“サプリが効いた”と感じるのは、もともと糖分の取りすぎによって体内のビタミンB1が枯渇していただけかもしれません。そういう人は、サプリを取るよりも、ふだんから糖分の摂取を控えたほうがよっぽど体にはよい。自分の健康状態を把握せずにサプリを飲みすぎてしまうと、思わぬ“落とし穴”にハマることがあるのです」

 

そう語るのは『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』(イーストプレス)の著者で、サプリをつかった栄養療法を行っている医師の宮澤賢史先生。内閣府の調査(’12年度)によると、日本人の約5割が2種類以上のサプリを利用している。そして、年齢が上がるほど、飲むサプリの種類は増える傾向にあるという。

 

サプリに詳しい順天堂大学医学部・スポーツ健康科学部非常勤講師の雪下岳彦先生も、サプリの常用者にありがちな“誤解”について警鐘を鳴らす。

 

「“栄養を取るためにサプリを飲む”と考えている人が多いのですが、本来、栄養とはバランスのよい食事から取ることが基本。そのほうが、さまざまな栄養素を一度に摂取できるため、メリットも多いのです。サプリを飲みさえすれば不調が治る、という考えは栄養面からみても正しいとは言えません。なかには、ふだん服用している薬に加えてサプリを飲めばさらなる健康効果が見込めるのでは? と考える人もいますが、これはとても危険な考え方なのです」

 

先の調査では、病院で処方される薬とサプリを併用している人はおよそ3割。しかも、そのうち8割の人は、医師にサプリの使用を伝えていないということが判明している。

 

「医師からの処方薬を服用しているときに、サプリも摂取してしまうと、治療薬の効果を阻害してしまうだけでなく、もともと抱えていた病状が悪化する可能性さえあるのです。たとえば、コレステロールを下げる処方薬を服用している人が、同じくコレステロールを下げる効果を持つ紅麹のようなサプリを過剰に摂取すると、コレステロール値が著しく低下し、その副作用としてうつ症状を起こす危険性が高くなります」(宮澤先生)

 

そんな危険な“サプリの飲み方”は、ほかにもある。

 

まずは、特定の薬を服用している場合の“飲み合わせ”から。血圧を下げるために降圧剤を使用中の人がダイエットサプリとして知られる「カプサイシン」を併用することで副作用として咳反射が誘発され、止まらなくなってしまう危険性がある。

 

また、利尿剤を服用している人が大量の「ビタミンC」をサプリで摂取すると、腎路結石・尿路結石ができる危険性などが指摘されている。

 

つぎに、特定の不調を訴えているときに飲んではいけないサプリについて。誤った飲み方をすると、サプリの効き目を無効にするだけでなく、さらなる“不調のスパイラル”を起こしてしまうことも。

 

「添加物が入った加工食品の食べすぎなどで腸内環境が悪化している場合、『カルシウム』や『マグネシウム』をサプリで補おうとしても吸収されにくいです。『鉄』のサプリを飲んでしまうと、かえって腸内の悪性細菌の増殖をうながすことも」(宮澤先生)

 

下痢や便秘を繰り返すほど腸内に不調が見られる人は、タンパク質摂取のためのサプリである「プロテイン」も危険。消化不良を招き、腸内環境をどんどん悪化させてしまうという。

 

サプリさえ飲んでいれば健康になれるーー。そう安易に思い込んでいると、いつしかサプリが体をむしばむ“毒”になってしまうかもしれない。

 

「女性自身」2020年2月4日号 掲載

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