隔離が必須となる新型コロナ患者(写真:時事通信) 画像を見る

4月24日、安倍首相は新型コロナウイルス感染症対策の会合を開き、GW期間の感染拡大に強い懸念を示し、改めて国民に「接触8割減」への協力を求めた。

 

「全国に発令した『5月6日まで』とした緊急事態宣言の期間延長は不可避。埼玉県内で自宅待機中の感染者死亡事例が2件発生したことを受け、加藤厚労相は自宅療養中の患者数を把握する考えを示しました」(政治部記者)

 

国内の感染者数は4月25日の段階で1万3千人を突破した。すでに自宅待機中の患者がいる場合、もしくは家族に感染が疑われる症状が発生した場合、同居家族は自宅でどう過ごすべきなのか。最新の対処法について、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号に派遣された医師の一人で、感染症が専門の「のぞみクリニック」筋野恵介院長はこう語る。

 

「発熱、嗅覚・味覚がなくなるなど、家族の誰かに感染が疑われる症状が出たら、接触を避けることから始めてください。まずは1回、すべての部屋を換気します。そして、できれば隔離できる部屋を用意してください。換気が悪い部屋や、感染者が風上の部屋に居ると、ウイルスは風下に流れてウイルスがこもってしまうので、換気の良い部屋、風下の部屋、例えば玄関に近い部屋が理想です。本人以外の家族は、上の階や玄関から遠い部屋を使うようにしてください。もし隔離部屋を用意できない場合は、部屋を仕切ること。突っ張り棒などでシーツやカーテンをかけてください」

 

次は荷物を分ける作業へ。

 

「感染の疑いがある人が直前に触ったものは洗濯・消毒すること。ウイルスは上から下に落ちるので、感染疑いの家族が座る場所は低いソファや床に。“空間の下”を意識してください。残りの家族は椅子に座るなど、高い位置を保つ行動を心がけてください」

 

こうして極力、接触しない状況で家庭内で過ごすことが肝要だ。また「感染疑い」の場合は、かかりつけ医に電話で相談することを筋野院長は勧める。

 

「今はすぐPCR検査を受けられる態勢ではないので、まずは医師の判断を仰ぎます。医師の指示に従い、病院で胸のレントゲン検査や血液検査を行います。採血である程度、ウイルス感染か否かはわかるので、コロナの可能性が否定できないと医師が判断すればPCR検査を受けることになります」

 

感染の疑いが指摘された場合、保健所や大学病院など医師会が指定する病院で検査が行われる。陽性の場合、症状によって「自宅療養」「宿泊療養」「入院」と振り分けられる。陽性者の濃厚接触者として残りの家族は2週間の自宅待機をすることに。

 

「仮に陽性者が夫だとしたら、夫の勤め先などには直接、保健所から連絡がいきます。しかし、妻の務め先やパート先、子供の学校など、濃厚接触者の関係先には自分で『家族に陽性が出たので、2週間休みます』という連絡をする必要があります。入院の場合は、自宅待機の家族は病院への着替えの差し入れなどはできなくなるので、2週間分の入院グッズなどは事前に準備しておいてもいいと思います。自宅待機に備えて、持病がある人は予備の薬を多めに処方してもらっておいたほうがいいでしょう」

 

「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載

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