緊張状態が続くと、筋肉が凝り固まっているため、呼吸が浅くなるそう。深い呼吸を意識して筋肉をほぐすメソッドで、筋肉がほぐれると、体がリラックスし、深い呼吸で自律神経のバランスが整い、入眠しやすくなるというーー。
「新型コロナウイルスの影響により、先行きが見えない不安で眠れなくなった、睡眠のリズムが狂った、運動不足になったなど、ここ数カ月の急激な状況の変化が多くの人の睡眠に影響しているようです」
こう話すのは、睡眠コンサルタントの友野なおさんだ。
「特に、中高年の女性は、家事の負担が増えています。その結果として、やむなく睡眠時間を削った人も少なくないでしょう」(友野さん・以下同)
緊急事態宣言は解除されたものの、これから迎える高温多湿の気候は、多くの人にとって寝苦しい季節であり、いかに良質な睡眠をとれるかが、この夏を乗り切る鍵となりそうだ。そんな今、友野さんがおすすめするのがオリジナルの「快眠メソッド」。
「緊張状態が続いたことで、とにかく筋肉が凝り固まっています。それに比例して呼吸も浅くなっているはずなので、深い呼吸を意識して、筋肉をほぐすのが目的です」
「快眠メソッド」をすることで、段階的にリラックスモードに入ってゆくことができるのだそう。そんな「快眠メソッド」を友野さんが教えてくれた。
■呼吸を深くする鎖骨マッサージ
猫背になると、肺が広がらず、深い呼吸ができなくなる。そこで鎖骨と胸のあたりを指先で、さするようにマッサージ。骨と胸の間をさすって広げ、呼吸を深めて、自律神経を整える。
「座った状態が長く、猫背ぎみの姿勢の人は胸まわりの筋肉も凝り固まっています。ちょっと押すだけで痛いと感じる人はさするくらいでも大丈夫。胸の筋肉をほぐすつもりで、気持ちいいと感じるくらいの力でマッサージしてください」(友野さん・以下同)
■休息モードをONにする片鼻式呼吸法
ゆっくり呼吸をすることで、副交感神経が優位になる。就寝前の習慣にすると、深い眠りにつくことができる。
【1】まず右手の親指で右の小鼻を上から押さえ、左の鼻だけで4つ数えながら息を吸い込む。
【2】次に右手のくすり指で左の小鼻を押さえたら、親指を離して5つ数えながら鼻から息を吐きます。反対側も同様に。
「片方の鼻で呼吸を繰り返すことで、丁寧にゆっくりとした呼吸を深く行うことができ、自律神経が整えられます。ポイントは『吐く息』を長くし、しっかりと吐ききることです。ここでは『5つ数えながら吐く』と紹介していますが、できる人は、もっと長くなっても構いません」
就寝前の快眠エクササイズで蒸し暑い季節を乗り切ろう。
「女性自身」2020年6月23・30日合併号 掲載