「雨の日に頭痛がひどくなったり、体中が痛んだり、めまいがしたりしませんか? それは“天気痛”かもしれません。天気痛を抱えている人は、日本に約1,200万人もいるのです」
こう話すのは、愛知医科大学客員教授の佐藤純先生。’05年、佐藤先生は日本で唯一の「天気痛外来」を開設し、“天気痛ドクター”と呼ばれている。国民の10人に1人が抱えている天気痛とは、なんなのだろうか。
「天気痛とは、天気の影響によってもともとある痛みが悪化したり、体に不調が起きたりするような病気の総称です。気圧の変動を内耳が感じ取り、ストレスをもたらすことで痛みが起きます。いちばん出やすい症状は、頭痛でしょう。とくに低気圧が続くこの梅雨の時季は、天気痛を引き起こしやすく、頻発する頭痛に悩む人も多いはずです」
佐藤先生を訪ねる外来患者の約63%は女性で、ほとんどが40代以上。そして片頭痛のある人の約7割が、天気の影響を受けていることがわかっているという。まずは、自分が天気痛なのか見分けるため、次のチェックリストを確認してみよう。3項目以上該当すれば天気痛の可能性が高く、すぐ対策を立てるべきだと佐藤先生は言う。
【天気痛チェックリスト】
□ なんとなく、雨が降りそうだとわかる
□ 季節の変わり目は具合が悪い
□ 寒さが苦手で、冷え性だ
□ 乗り物酔いしやすく、飛行機や新幹線が苦手
□ 耳鳴りしやすく、耳抜きが苦手
□ 過去に首を痛めたことがある。事故やスポーツでケガをしたことがある
□ ストレスが多い
「かなり強い頭痛があっても『更年期障害や自律神経失調症の影響ではないか』と、誰にも相談できずにいる人は多い。そうして結局病院やクリニックに行かず、その場しのぎで市販の頭痛薬に頼ることに……。しかし、頭痛薬に頼ってばかりだと、今度は薬の副作用で頭痛が出てしまい、根本的解決にはならないのです」
「女性自身」2020年7月7日号 掲載