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「洗濯する衣類からまるでぞうきんのようなイヤなニオイが漂ってきたので、夫のシャツのせいかと思ってつまんだら、原因は自分のシャツだった……」

 

ショックを受けたという都内在住の主婦Aさん(50)のように、最近読者世代を中心に“汗のニオイ”で悩む人が増えている。

 

「本来、汗はサラッとしたものでニオイはあまり気にならないのですが、運動不足やエアコンの効いた室内で過ごして汗をかく機会が少ないと、ベタついた濃い汗をかくようになります。湿気が多い梅雨から夏にかけては汗が蒸発しにくく、細菌が増殖しやすくなります。皮膚の表面でベタついて、“ぞうきん”や“ドブ川”のようなきついニオイを発散させるのです」

 

臭う汗の原因をそう解説するのは、内科医でイシハラクリニック副院長の石原新菜先生だ。特にこの夏は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛生活によるストレスが汗を臭くしているという。

 

「本来、汗には体温を一定に保つ役目があって、体温が1度高くなると、私たちの体は汗をかくことで体を冷やそうとします。汗が蒸発するときに、気化熱で体温を奪って蒸発していくのです。サラサラしたいい汗は汗腺のうち『エクリン腺』から出るものですが、『アクポリン腺』から出るベタついた濃い汗が、きついニオイの正体です。血液内に余分な栄養分があるとアクポリン腺から汗が出て、拭いてもニオイが取れにくくなります。これに疲労や加齢、ストレスなどが重なるとニオイはさらにきつくなります」(石原先生・以下同)

 

コロナ禍による疲労・ストレスによってきつくなる汗のニオイ。まず自分の汗の状態をチェックしてみよう。次のチェックリストで3つ以上あてはまると「いい汗」をかけていない可能性が高い。

 

【「疲労臭」を招く習慣チェックリスト】

□ まわりの人と比べてあまり水分を取らない
□ 夏場でも冷えをよく感じる
□ あまり汗をかかないほうだ
□ 汗をかくと肌がベタつく
□ 肉や脂っこい料理が好き
□ 日々ストレスを感じている
□ 夜、眠れないことがよくある
□ 春、秋もエアコンを使っている
□ ほとんど運動をしていない
□ 入浴はシャワーで済ませる

 

最近はマスクをする機会が増えて嗅覚が鈍くなっていることから、ニオイに気がつきにくいこともある。夏真っ盛りの時期だからこそ、「いい汗」をかいておく必要があるという。

 

「女性は更年期をむかえるころになると、生理がないことで体内の老廃物が増える傾向があります。そこに便秘、過食、脂分の取りすぎなどが加わると血液中に余分な栄養素が残り、汗として出やすくなってしまうのです。ベタついた汗を出さないためにも、まず食生活の改善が大切です。肉や脂っこい食事が多い人は、野菜をたっぷり食べるように切り替えましょう」

 

「女性自身」2020年8月11日 掲載

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