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「なかなか治らない、便秘や下痢などおなかの“不腸”。それだけでもつらいのに、長引く不腸はさまざまな病気の引き金になってしまいます」

 

そう語るのは『3週間でお腹が整うまいにち腸日記』(池田書店)の著者で、消化器専門医の江田証先生。先生いわく、不腸の原因には「ストレス」「食事」「生活習慣」の要素が関わってくるという。今回は、「生活習慣」について教えてもらった。

 

■汚腸を引き起こす間食・睡眠不足

 

「腸は、食事から2時間ほどは消化・吸収のために働いていますが、その後の空腹時には、MMC(伝播性消化管収縮運動)という収縮運動をしています。殺菌性のある消化液によって、腸の中に残ったカスや悪玉菌を処理し、腸内環境を整えているのです。しかし、この時間に間食をすると、MMCがストップ。悪玉菌が増えてしまいます。食事と食事の間は、3時間は空けるようにしてください」

 

特にこのMMCがしっかり働くのが睡眠中だという。

 

「睡眠時は、MMCにとって非常に重要な作業時間。睡眠時間が短いと、腸内の掃除が十分に行われません。また、夜遅い食事や、夕食時に消化しづらい脂っこいものを食べると、MMCの作業が滞る原因に。おなかの不調には、睡眠時間や食事のタイミングなどの生活習慣も関わってくるのです」

 

腸内環境が悪化した状態を放置すると、腸の健康が損なわれるだけでなく、がんや動脈硬化、認知症などの病気になるリスクも上昇する。

 

「すなわち、おなかの調子を整えることは、おなかだけでなく全身の健康にもつながるのです。腸の調子をよくするために有効な手段が、毎日のお通じや食事、思考のクセを日誌に書き留めること。腸に影響を与える食生活や出来事を日誌で“見える化”することで、具体的な課題がわかります。2〜3週間日記をつけると、生活習慣や考え方に気づきが得られ、おなかの調子が整っていくでしょう」

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