【1回10秒「耳穴もみ」のやり方】
〈1〉正しい場所に親指を入れよう
耳の穴の前にあるかたいでっぱり(囲んだ部分)の内側に親指の腹を当て、奥まで入れる。これ以上入らないというところまで入れよう。
〈2〉親指で耳穴を押そう
耳の穴の周囲を押し広げながら、親指を360度移動させる。痛いところが見つかったら親指を止め、10秒ほど押し続けよう。
〈3〉小指で耳穴を押そう
親指を耳の穴から出し、手の小指を入れる。これ以上入らないというところまで入れたら、周囲を押し広げつつ小指を360度移動させる。痛いところが見つかったら10秒ほど押そう。
〈4〉耳を回そう
指を耳の穴から出し、耳の根元を親指と人さし指で強く握る。側頭部に耳を押し付けるように、ゆっくり、しっかり、後ろに10回ほど回そう。
「不定愁訴(疲労感や頭痛などの“なんとなく不調”を感じること)の多い人は、触れるだけで痛いことがありますが、続けてみて。徐々に長く押せるようになります」
押し続けて慣れてきたら小指をさし入れて耳穴を刺激してみる。
「痛いだとか気持ちいいと感じるポイントを10秒程度でかまいません。重点的に押しているうちに、痛みが和らいでいくことを感じるでしょう。この時点で、視野が明るくなったり、頭痛や肩こりが緩和されるという人もいます」
これからの季節は、冷え込むほど腰痛に悩まされる人が増える。
「腰痛には、イラストのように耳穴を斜め上に上げてみましょう」
実際に、腰痛持ちの記者も耳穴もみをやってみた。最初に指を耳穴に入れたときは鈍い痛みがあったが、30秒ももんでいるうちに痛みから心地よい感覚に変わり、そのまましばらくもみ続けていると、全身がリラックスできて、腰痛が和らいでいることに気づいた。
しかも、腰痛の方向はひざ痛、股関節痛の改善にもいいそうだ。
押す力が強い人や、乾燥肌の人はハンドクリームなどを塗ってからもむと、力加減の調整ができ、痛すぎたり、耳穴を傷つけることを防げる。
■腰痛のほか、小顔やリフトアップにも効く
また、耳穴もみに不慣れなうちは、イラストの各矢印の方向に耳穴の入口を押して引っ張るだけでも耳のツボが刺激される。耳穴に指を入れるコツとして、もう片方の手で耳を引っ張って、穴の角度を変えると指が入りやすい。
耳穴もみは、頭痛、肩こり、高血圧、便秘、耳鳴り、めまいといった具体的な症状の改善のほか、小顔、リフトアップ効果も期待できるそう。いつでもどこでも手軽にできるうえ、副作用の心配もないので、いろんな方向を押して試してみたい。
「耳の穴に指を入れるだけで、周囲の皮膚まで刺激でき、耳全体をもみほぐすことができます」
マスクを長時間する習慣から、耳が疲れやすくなっている人も増えている。そういう人たちにも耳穴もみはぜひおすすめだ。耳穴もみで今年も冬の不調を乗り切ろう。