夏に気になる体臭。電車など密閉空間で自分のニオイに不安になったことはないだろうか。じつは、ニオイの原因となるベタベタ汗は、“お風呂”で解決できるのですーー!
湿度と気温が上がる季節になると、「ツ~ン」と鼻につくニオイが全身からたち込めて、不快な気分になる。
「特に梅雨から夏にかけて、シャワーだけで入浴を済ませてしまおうと思う人は多いでしょうが、湯船にしっかりつかると疲れが取れるだけでなく、体にいいことがたくさんあります」
そう語るのは、『お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案 最高の入浴法』(大和書房)の著者で東京都市大学教授の早坂信哉先生。入浴を医学的に研究する早坂先生がこの時季に提唱しているのが「お風呂の汗トレ」だ。
「汗は皮膚にある汗腺で作られます。汗腺で作られた汗には塩分などの体に必要な成分が含まれているのですが、体の外に出る手前で、再吸収して水だけを外に出すようにしています。なので、本来の汗は塩分が含まれないサラサラ汗で、ニオイはありません。もっと暑くなって体温が上がると水分を出すのに精いっぱいで塩分などの再吸収が間に合わなくなり、塩分を含む汗が出てきます。このベタベタ汗がニオイの原因なのです」(早坂先生・以下同)
冷房が効いた室内で長時間過ごしたり、汗をかく機会が少ない人は、ベタベタ汗をかきやすい。ふだんから汗腺を鍛えて、汗をかきやすい体質にしておくと、ニオイのきついベタベタ汗ではなく、サラサラ汗になるという。
■半身浴ではなく肩までつかろう
汗をかくためには運動などさまざまな方法があるが、簡単なのは毎日の入浴時にちょっとした工夫をする「汗トレ」だ。
まず、基本の入浴は40度のお湯を張った湯船に15分ぐらいつかること。半身浴ではなく肩までつかる全身浴がおすすめで、かなりの汗が噴き出してくる。
くさい汗からおさらばできるだけでなく、血流が促され自律神経も整うので疲れが取れる。入浴をすると副交感神経が優位になるので深い眠りにつくことができる、といったメリットがたくさんある。
もっといい汗をかくために、お風呂でできるさまざまな「汗トレ」を教えてもらった。