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日本の人口の3人に1人、実に約4000万人以上の人が、「頭痛」に悩まされている。

 

「『たかが頭痛』といわれることもあり、市販の鎮痛薬で痛みをしのいでいる人が本当に多いのです」

 

そう話すのは、日本初の頭痛専門クリニックを開設した頭痛専門医の丹羽潔先生だ。

 

「頭痛の苦しみは、当事者でないと理解できません。頭痛によって、仕事の効率や生活の質も低下するでしょう。頭痛が日本経済に与える損失は、年間約2600億円に上るという試算があるほどです」

 

頭痛には、わかっているだけで367種類あるそう。なかでも、首や肩のコリなどから起きる「緊張型頭痛」は患者数が約3000万人で、頭を動かすと痛い「片頭痛」が約1000万人。これら二大頭痛で、全頭痛患者の9割を超える。

 

「二大頭痛は、起きるメカニズムや特徴が違い、起きたときの対処法は真逆です。だから自分の頭痛がどちらかをわかっていないと、対処法を間違えて、悪化させてしまうこともあるでしょう」

 

そこで丹羽先生に作ってもらったのが次のチェックリストだ。頭痛に悩む人はやってみて。

 

【あなたの頭痛はどのタイプ? 自己診断チェックリスト】

〈1〉薬を服用しないと頭全体が重く、圧迫されて憂鬱だ□2点
〈2〉長いと1週間痛みが続くが、いつの間にか消えている□3点
〈3〉じっとしているより動いたほうが楽になる□3点
〈4〉お風呂に入ったりお酒を飲んだりすると楽になる□3点
〈5〉痛くても仕事や家事はできる□2点
〈6〉自分でも姿勢が悪いと思う□2点
〈7〉運動はほとんどせず、休日もダラダラしている□1点
〈8〉パソコン仕事が大半である□1点
〈9〉毎シーズン録画して見るドラマが2~3本ある□1点
〈10〉頭痛以外に吐き気などの症状はない□2点

 

〈11〉薬を服用しないと4時間~3日間痛みが続く□1点
〈12〉家族に頭痛持ちがいる□2点
〈13〉頭痛のときは静かにしていたい、寝込むほど痛い□3点
〈14〉吐き気や嘔吐を伴うことがある□2点
〈15〉頭痛の約1時間前に視界にジグザグが現れて徐々に広がる□5点
〈16〉頭を下にしていたり、階段の上り下り、歩くだけでも痛みが悪化する□4点
〈17〉コーヒーを飲むと少し落ち着く□1点
〈18〉アルコール(特に赤ワイン)を飲むと必ず痛くなる□2点
〈19〉雨や台風がくるのが予測できる□2点
〈20〉おなかがすくと痛くなる□1点

 

〈1〉~〈10〉で5点以上の人は緊張型頭痛、〈11〉~〈20〉で5点以上の人は片頭痛の可能性が高い。

 

「ただ片頭痛持ちの人の約8割は、緊張型頭痛もよく起こすので、〈1〉~〈10〉も〈11〉~〈20〉も5点以上、両方の頭痛を持つ人もたくさんいます」(丹羽先生・以下同)

 

片頭痛の痛みでこわばった首・肩が緊張型頭痛の、コリが強くて起きた緊張型頭痛が片頭痛の、それぞれ引き金になることはよくあるという。

 

「両方の頭痛を持っている人でも、両方同時に起きることはありません。今の頭痛がどちらのタイプかを見極めることが大切です」

 

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