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ランチ時、腹持ちとコスパを重視して、「ラーメンライス」「ラーメンと半チャーハン」または「そばとミニカレー」「うどんと小ライス」など、“ダブル炭水化物”のメニューを選ぶ人も多い。また、焼きそばやお好み焼きをおかずにごはんを食べる習慣があるという人もいるだろう。しかし、この至福なセットには思わぬ落とし穴がある。

 

《「ラーメンライス」など、主食を重複して食べる習慣のある人は、そうでない人と比べて“歯周病の歯”が1.2倍多い︱》という研究データに注目が集まっている。

 

「主食を組み合わせた『重ね食べ』が歯周病の危険因子と断定はできませんが、そうした食習慣がある人は、歯にとって健康的な生活を送っていない傾向があることが調査から見えてきました」

 

そう語るのは、東京都健康長寿医療センター研究所(板橋区)の岩崎正則・研究副部長。同センターは’17年10〜11月、福岡県のバス会社に勤める22〜75歳の運転手を含む男性従業員540人(平均年齢47・9歳)を対象に調査を行った。調査では、複数の主食を同時に食べることを「重ね食べ」と定義したうえで、食べ方や歯磨き(ブラッシング)の回数などを分析。

 

1日1食以上の「重ね食べ」をする人は540人中80人だった。その人たちは、歯周病とされる4mm以上の歯周ポケット(歯と歯茎の境目の溝)がある歯の数が、重ね食べをしない人よりも1.2倍多かったという。さらに「重ね食べ」をする人は、1日2回以上の歯みがき(ブラッシングと歯間ブラシの使用頻度)が、重ね食べをしない人に比べ約2割少ないことも明らかに。

 

「主食の『重ね食べ』は、短い時間にごはんをかきこむように食事を済ませる食べ方になりがち。同時に炭水化物の摂取量が多く、糖尿病や肥満につながります。いっぽうで、歯周病も肥満や糖尿病だけでなく、全身に悪影響を及ぼし、歯を失う原因につながるため、放置してはいけません」

 

そう注意を促すのは、幸町歯科口腔外科医院の宮本日出院長だ。

 

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患。歯茎(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気だ。歯と歯肉の境目の汚れ、歯垢(プラーク)が歯磨きできちんと取れていないと、そこに多くの細菌がたまり、歯肉まわりが炎症を起こし、赤く腫れたり、出血を起こす。

 

「歯周病の恐ろしいところは、痛みなどを感じないで静かに進行して、ドミノ倒しのように病気が連鎖して起こる点です。歯の健康は生活習慣病、脳や心臓の病気とは無関係だと思われがちですが、炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身をめぐり、さまざまな病気を引き起こし、悪化させる原因となるのです」(宮本院長・以下同)

 

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