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年の瀬もせまり、今年の振り返りや新年への決意を新たにする人も多い。

 

そんなリセット、リスタートのタイミングで取り入れたい“脳と心にやさしい習慣”を、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に教わった。

 

40代後半から50代の女性では、更年期の症状で苦しんでいる人が多いと聞きます。実は、女性ホルモンのエストロゲンは脳を保護しています。脳がエストロゲンに守られているころの女性は男性よりも脳の萎縮度が低いと言われています。逆に、エストロゲンが減少する閉経後には、萎縮が進みやすくなってきます。

 

萎縮が進むからといって、心配は無用です。大人になっても脳の海馬では神経細胞が増えることがわかっていますし、神経細胞のつながりを強くすることで、情報処理能力が高まると言われています。私たちの脳はいくつになっても強化することができるのです。これを脳の可塑性(脳の機能を回復させる働き)と呼びます。

 

だからこそ、若いころ以上に楽しいことを見つけて、ワクワクの多い毎日を送ることがとても大切になってきます。毎日を楽しむと、脳が元気になり、将来の認知症リスクを減らすことにもつながります。

 

「脳のために何かしなければ」と考えるのではなく、自分にとって楽しいことを見つけて実行すればいいのです。「ワクワクすること」は、知りたい、やってみたい、行ってみたいなど、さまざまなことに興味を持つ「知的好奇心」です。東北大学加齢医学研究所では、約400人の脳を8年にわたり観察し、脳がどのように変化するのかを調査しました。その結果、知的好奇心のレベルが高い人ほど、加齢によって進む脳の萎縮が少ないことがわかりました。仕事が趣味という人もいるでしょうが、趣味とは「仕事ではなく、個人が楽しんですること」。

 

おしゃれをして外に出かける機会が増えたり、体を動かしたり、仲間と会って会話を楽しむだけで、脳を刺激する要素がたくさん出てきます。

 

すでに趣味がある人はそのまま続けましょう。趣味がない人は「イチから始めるのは億劫だ」と思わないで、昔やりたかったことにチャレンジするのもいいでしょう。最近ブームの“推し活”も効果的ですし、熱中して取り組める趣味は、脳の若さを保つためにも大切なことなのです。

 

【PROFILE】

瀧靖之

東北大学加齢医学研究所機能が増医学研究分野教授。16万人を超える脳のMRI画像を読影、解析し、多くの論文を発表。脳の発達や加齢のメカニズムの解明に取り組んでいる

出典元:

WEB女性自身

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