冬の楽しみに、意外な落とし穴が潜む(写真:アフロ) 画像を見る

ここ数年、暑い夏場ではなく、冬に食べるアイスの人気が年々高まりをみせている。暖かい部屋で、寝る前に一日のごほうびとして楽しみにしている人も多い。コンビニやスーパーのアイスコーナーには「冬季限定」の商品が数多く並ぶなど、メーカー各社がしのぎを削っている。

 

総務省が発表する家計調査(2人以上の世帯)によると、12月の家計のアイスクリーム支出金額は、’18年以降右肩上がり。同調査では、北海道、東北、北陸地方といった寒さの厳しい地域でアイスの支出額が多い、というデータも。極寒地域では、暖房器具のおかげで室内が常に高く保たれていることから、冷たいアイスを食べたくなるのかも。

 

しかし、いくらおいしいからといって、いまのような寒い時季にアイスを過剰に食べると体の不調を招く危険性があると、イシハラクリニックの内科医・石原新菜先生は警鐘を鳴らす。

 

「たとえば、寝る前に糖質や脂肪が多いアイスを食べると血糖値が上昇し、寝ている間に血糖値が下がります。血糖値が乱高下すると睡眠の質が低下し、日中も眠気を感じてしまう要因となります。“朝の目覚めが悪い”“なんとなく一日中だるい”“疲れがなかなか取れない”……。このような体の不調が現れる原因の1つとして、寝る前にアイスや甘いものなどを食べる習慣が影響しているケースも少なくないのです」

 

小腹がすいて眠れないときに、夜食代わりにアイスを食べる人、あるいは、就寝前に入浴し、お風呂上がりにポカポカの部屋でアイスを食べ、リラックスしてから寝るという人もいるだろう。だが、今晩からそのような“冬アイス”の習慣は見直しが必要かもしれない。なぜなら、就寝前に食べるアイスがもたらすトラブルは、睡眠の質の低下だけにとどまらないからだ。

 

石原先生によると、冷たいアイスによって胃腸が冷えると消化機能が低下するため、翌朝の胃もたれや下痢、便秘などのトラブルを招く可能性もあるという。

 

「就寝前のアイスで血糖値が上昇すると、睡眠中にインスリンが分泌されるため、脂肪が分解されにくくなります。脂肪が蓄積すると、太りやすい体質になってしまいます。アイスには糖質や脂質が多く含まれているため、過度な血糖値の急上昇を招き、糖尿病のリスクにもつながります」(石原先生・以下同)

 

さらに、ただでさえ冷えが大敵であるこの時季に冷たいアイスを食べることによって血管が収縮し、血流が悪くなることで頭痛を引き起こすこともあるそうだ。

 

特に50代以上の女性にとって、おやすみ前のアイスは注意すべき習慣だと石原先生は続ける。

 

「女性は男性に比べて低体温、冷え性の人が多く、そういう人が体を冷やすものを食べると頭痛の要因になります。もともと冷え性の女性は、更年期を過ぎるとさらに低体温になりがち。冷えた体に冷たいアイスは、代謝や消化機能の働きを低下させるため、自律神経の乱れを引き起こすことも」

 

不調の引き金とあらば気をつけたいとは思うけれど、おやすみ前のアイスをいっさい禁止、というのはつらすぎる……、という人はどうすればよいのだろう。できるだけ体に負担をかけずに、アイスを楽しむルールを石原先生にアドバイスしてもらった。ポイントは大きく2つ。

 

【1】アイスを食べるのは就寝3時間前までに

 

「アイスには乳成分が多く含まれているものが多いので、消化されるまでに時間がかかります。アイスを食べる場合は、就寝3時間前までにしましょう」

 

デザートを食べたらすぐ寝る、という習慣のある人は改善しよう。

 

【2】温かい飲み物と一緒にアイスを食べる

 

「冷たいアイスだけを食べると、胃腸が冷やされて下痢を起こす可能性があります。そのため、アイスは温かい飲み物と一緒に食べることをおすすめします。たとえば、ポリフェノールが入っている紅茶などは、血糖値の上昇を緩やかにする働きもあるのでおすすめです。そして冬は、鍋料理の後のデザートにアイスを食べるのもいいですね。多くの食材を同時に取れるので胃腸への負担が軽減されます」

 

気象庁の予想では、1月下旬に北日本を中心に再び寒気が南下し、冬らしい寒さが戻る見込み。暖かい部屋の中で冷たいアイスを食べる機会はまだまだ多くある。おやすみ前の楽しみが不調をもたらす原因となってしまうことのないよう、気をつけたい。

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