マグネシウムが足りないと寝つきも悪い(写真:PIXTA) 画像を見る

今年の夏も厳しい暑さだ。気象庁は7月からの3カ月予報で、いつもの夏より暑くなると発表した。猛烈な暑さが続く見込みのため、熱中症対策を呼び掛けている。

 

「熱中症の予防として、水分をこまめにとるだけでは不十分です。ストレスフルで体の負担も大きい夏場は、汗などから必須・主要ミネラルであるマグネシウムが大量に流出することで、熱中症や夏バテ、睡眠障害などさまざまな不調を引き起こすからです」

 

そう話すのは、“ドクターマグネシウム”こと東京慈恵会医科大学の客員教授で医学博士の横田邦信先生。

 

マグネシウムは5大栄養素のミネラルの中で、人間の体にきわめて重要な必須ミネラルのひとつ。ブドウ糖からエネルギーを作り出すなど代謝にかかわる大事な酵素を活性化、体温調節や血圧の安定、骨の強化、血流の促進、筋肉の動きをスムーズにするなど、生きるうえで必要不可欠なものだ。

 

とくに夏は消費しやすく、イライラしやすい、だるい、足がつりやすい、頭痛や便秘に悩まされる、気分にむらがある、寝苦しいなどの不調が続く人は、マグネシウム不足の恐れがあるという。

 

「マグネシウムは体内で合成できないため、食事でとる必要があります。大麦や雑穀など昔ながらの日本食にはマグネシウムを多く含む食材が豊富なのですが、あまり食べられなくなったことに加え、ミネラルが豊富な粗塩から精製塩が主流になったことで、いまやほとんどの人が慢性的にマグネシウム不足です」(横田先生・以下同)

 

横田先生の研究でマグネシウムの摂取量を分析したところ、マグネシウムの充足率は約7割程度と明らかに不足していた。

 

「厚生労働省による推奨量は、50歳以上の女性で290mg/日ですが、実際には1日当たり、推奨量に対する不足量は平均約80mgほどであると考えられます」

 

そこで、横田先生にマグネシウムが豊富な食材を教えてもらった。

 

「麺類の中では、そばが最も豊富。そば湯にも溶け出すのでしっかり飲んで。ざるそばでわさびを加えるとさらに効果が高まります。果物ではバナナが一番。カリウムやカルシウム、食物繊維も豊富です。また、肉より魚に多く、野菜なら葉緑素の中心に含まれているので、緑色の濃いものを選ぶのが正解。まだまだ豊富な食材はたくさんあるので、頭文字をつなぎ合わせた『そばのひ孫と孫は優しい子かい? 納得!!』と覚えてください」

 

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