「秋バテ」「片頭痛」「関節痛」秋に起きやすい低気圧不調…気象予報士が語る天気との関係
画像を見る 気象予報士、健康気象アドバイザーの小越久美さん

 

■秋は晴れた日こそ、羽織りものを持ち歩く

 

さらに秋晴れの日は、朝晩の冷え込みに注意です。雲ひとつない秋晴れは気持ちのいいものですが、上空に雲がないため、日中、太陽によって暖められた地表の熱が、夜になると宇宙空間へと逃げていってしまいます。これが、「放射冷却現象」の仕組みです。

 

浴槽にふたをすればお湯が冷めにくいのと一緒で、上空に雲があれば地表の熱も逃げにくい、ということなんです。

 

では、上空に雲のかかりにくい夏は、放射冷却が起こらないのかと疑問に感じる人もいるでしょう。もちろん、夏でも放射冷却は起きています。

 

でも、夏は空気中の水分が多く、熱が逃げにくいことに加え、地表の空気もたっぷり暖められているので、宇宙空間に熱が逃げていったとしても、涼しく感じるまでにはいたらないのです。

 

秋の放射冷却による寒暖差は、体にとってはかなりの負担になります。前日の日中に20℃を超える暖かさになったかと思えば、翌朝は5℃ぐらいまで冷え込むというケースも。その差15℃以上。こういった日が何日も繰り返されれば、不調にもなるというものです。

 

秋晴れの日は、日中の気温がどれだけ高かったとしても、帰宅が遅くなるとわかっているときは、カーディガンやストールをバッグに入れて出かけましょう。
また、昔から喘息発作は秋の晴れた日に起こりやすいといわれていますし、統計でもそれが証明されています。放射冷却により、冷たい空気が沈殿するときに溜まる汚染物質がアレルギー源となって喘息の引き金になっているとも考えられていますので、喘息やアレルギー体質の方はご注意ください。

 

【PROFILE】

小越 久美(おこし くみ/Kumi Okoshi)

気象予報士、健康気象アドバイザー
1978年、岐阜県下呂市生まれ。筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学分野)卒業。2004年から2013年まで日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。その傍ら、民間の気象予報会社(株)ライフビジネスウェザーに所属し、健康気象アドバイザー・データ解析士の資格を取得。スーパーマーケットの売上予測の開発にも携わる。現在は(一財)日本気象協会に所属し、気象データとAIを活用した商品の需要予測事業に携わり、アパレルや飲料メーカーなどへのコンサルティングを行う。著書『かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~』(経済法令研究会)。

 

【INFORMATION】

 

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出典元:

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