■花粉症だけじゃない!シミやうつ、脳の炎症にも
さらに、Tレグ細胞は全身の炎症反応を抑える効果もあるため、ほかの体の不調を改善する働きも期待できると、小柳津さんはいう。
「ぜんそくなどほかのアレルギー反応にも効果的。脳の炎症反応が原因であるうつ病の改善も見込まれます。紫外線による炎症で起こるシミやシワも改善します」
また、FOSを取り入れて睡眠障害が改善するという報告もある。
「そのメカニズムはわかりません。ただ、酪酸菌が増えることで、日中に体温が0.5度ほど上がることがわかっています。日中、活動的になり、夜は急激に体温が下がるため、体のオン/オフが切り替えられ、夜にしっかりと眠気を誘ってくれるためだと考察しています」
ただし、Tレグ細胞は無尽蔵に造られるわけではないので、毎日FOSを摂取しなければならない。また、新しいTレグ細胞ほど免疫の暴走を抑える力があるという。
「花粉症は起床時や就寝時に強く出て、日中、外出したり緊張しているときに症状が少ない人が多いので、夕食時にFOSを意識した食事をすると、より効果的でしょう」
であれば、毎日夕食にごぼうを1本食べればFOSの摂取量はだいぶ稼げるが、さすがに現実的ではない。
「たとえばごぼう50g、玉ねぎ2分の1を目安にして、不足分はサプリで補うのもいいでしょう」と小柳津さん。
そこで、初心者の目安である“ごぼう50gと玉ねぎ2分の1”を使用したレシピを、管理栄養士の和泉裕子さんに考案してもらった。副作用がないFOSを取り入れた食生活で、花粉症シーズンを乗り越えよう。