■スマホを見ながら食事をしている
テーブルに置いたスマホを見ながら猫背で食事をとると、腸が圧迫され、ぜん動運動が阻害されて腸内環境が悪化する。
「腸内環境の悪化は唾液の質を低下させ、口臭がひどくなります」
また、腸内環境は幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の産生にも影響を与える。
「口臭がほとんどないのに、ひどいと信じ込んでいる人がいます。検査をし、どれだけ説明しても口臭がひどいという不安が打ち消せない人は、腸内環境が原因でセロトニンが少ないのかもしれません」
“気にしすぎ”という可能性もあるので、口臭外来で客観的に測定してみるのも手かもしれない。
■詰まった鼻を放置口で呼吸している
「花粉症や慢性鼻炎で鼻詰まりの人、すきっ歯の人などは、口呼吸になりやすい。口で呼吸すると口中が乾燥し唾液が減って、口臭が強くなります」
できるだけ鼻呼吸を意識すること。ガムをかんで口をよく動かすことで唾液を増やそう。
■口臭が気になるので歯科などで口中殺菌する
「口臭の原因には、歯周病や内臓疾患などがあります。この場合、病気を治療することで口臭をなくすことができます。ただ、病的な原因より生理的に起こる口臭のほうが多いです」
生理的口臭とは、体調や時間帯によって誰でも出る口臭。病気ではないため、治療はできない。
「口臭が気になって歯科を受診すると、だいたい口中殺菌が施されます。当初口臭は減るのですが、しばらくすると、殺菌剤に強い耐性菌が育ち、口臭が復活。仕方ないからまた殺菌を繰り返すと、最終的には“耐性悪玉菌”が繁殖し、ものすごい口臭に育ってしまうのです」
口臭は口中細菌のバランスが大切だ。全部殺すのではなく、善玉菌を増やしてバランスを整えよう。
「家で歯磨き粉やマウスウォッシュを多用していると、口中殺菌と同じ理屈で口臭が強くなります。口臭は水をよく飲み、いい姿勢でよくかむ食事など当たり前の生活習慣でコントロール可能です」
NG習慣を見直して、口臭のないさわやかな夏を迎えよう。