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50代の約半数が歯周病――。厚生労働省の「令和6年歯科疾患実態調査結果」によると、進行した歯周病患者(歯周ポケットの深さ4mm以上)の割合は、45~54歳で43%、55~64歳で56.6%に上っている。

 

歯は健康長寿のために欠かせないものだが、それを失ってしまう最大の原因が歯周病だ。この歯周病が生活習慣病のひとつであることはあまり知られていない。未来歯科(東京都港区)の川邉研次院長がこう語る。

 

「口の中の感染症である歯周病は、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病など重篤な病気のトリガー(引き金)になるほか、近年では認知症との関連も指摘されています。歯周病の感染原因は不十分な歯磨きはもちろんのこと、喫煙、飲酒、睡眠不足、ストレス、食生活の乱れなど、生活習慣も深く関わっています。

 

歯周病予防には、生活習慣の改善に加え、私が開発した、歯ぐきに沿って円を描くように歯ブラシを動かす『マルケンブラッシング』がおすすめ。免疫力の高い唾液の分泌を促進します」

 

さらに、歯周病の予防においてカギとなるのは「かみ合わせのバランスの悪さの解消」だという。川邉院長が続ける。

 

「歯周病は、一度治っても再発する傾向がある病気です。毎日丁寧に歯を磨いているのに、繰り返し歯周病になる人も少なくありません。そんな人は、かみ合わせが悪いケースが多いのです。

 

かみ合わせが悪いと、歯と歯ぐき、顎関節などに負担がかかり、血流も悪化します。さらには、歯周病の予防に大切な役割をはたす唾液の質も低下してしまうのです」

 

かみ合わせの悪さが、歯周病になりやすく、かつ治りづらくなる原因――。その考えから、これまで1万人以上の口腔トラブル改善にあたってきた川邉院長が実際に歯周病の治療に取り入れているのが、“正しい姿勢を保つこと”だ。

 

「ライフスタイルの変化もあり、現代の日本人は、立ったり歩いたり、あるいは座ったときの姿勢のバランスが崩れがちです。このとき、重心の位置が乱れ、胸を張りすぎていたり、腰が反ったりしています。すると、骨盤や肩など体のあちこちに必要以上に力が入り、奥歯もかみしめることでゆがみに耐える状態を招きます。その結果、かみ合わせのバランスが悪化していくのです」

 

かみ合わせの悪さを根本から改善するには、本来の正しい姿勢を取り戻すことが不可欠なのだ。姿勢改善の指導に川邉院長が活用する意外なアイテムが、台所で使う「タワシ」だという。

 

「乾いたタワシで、足の裏を横に縦にと、こするだけです。軽い刺激でも、姿勢が悪い人は痛みを感じることがあります。状態がよくなるにつれ、痛みは軽減し、くすぐったく感じるようになるでしょう。このマッサージにより、足全体に正しく力が入るようになり、かかとに寄っていた重心を正しい位置に戻すことにつながるのです」

 

川邉院長の指導を受けてタワシで足裏マッサージをした患者さんは、子供から高齢者まで、口腔トラブルの改善に成功しているという。長年の悩みから解放されたという60代女性の声を聞いてみよう。

 

「下顎が小さくて、40代のころから顎関節症に悩まされていました。50歳を過ぎてからは口臭もひどくなり、歯科医にかかると歯周病と診断されました。

 

正しいブラッシング法を教わり実践していましたが、歯周病が治ったと思ったらやがて再発して、また受診……の繰り返しでした。タワシで足裏のマッサージを朝晩にしてみると、3日ほどでまずは足のむくみが解消されたことに気づきました。

 

徐々に口臭も治まってきて、2カ月後にかかりつけの歯科医を受診したところ、歯周病の再発もないと。さらには、痛みで大きく口を開けられなかった顎関節症の症状も軽くなりました」

 

姿勢改善に加え、タワシを使った足裏マッサージがもたらす効果について、川邉院長が補足する。

 

「体の末端部分である足をこすると、血流を促すことにもつながります。血流が改善すると、唾液の質がアップ。サラサラとした質のよい唾液が多く分泌されるようになります。

 

唾液は口内環境を整備する大切な“天然の薬”。食事によって酸性に傾いた口内を中和し、歯周病や虫歯を予防します」

 

足の指を曲げたときに、足の裏の中央にできるくぼみにあるツボ「湧泉」を刺激することも、唾液の質向上につながるそうだ。

 

何歳になっても自分の歯でかめる状態を目指し、歯磨きに加えて、足裏をタワシでこすることを毎日の習慣にしよう。

 

画像ページ >【図解あり】歯科医推奨「足裏タワシマッサージ」のやり方(他1枚)

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