「ボジョレー・ヌーヴォーは解禁日に間に合わせるためにフランスから空輸します。その輸送費が上乗せされるため、通常の船便で届くワインより必ず割高になります。よって、安すぎるボジョレー・ヌーヴォーはぶどう自体の品質がよくないということで、当然味も落ちます」
そう語るのは、JSA認定ワインエキスパートの資格を持つ小山久美子さん。毎年、11月第3木曜日はボジョレー・ヌーヴォーの解禁日。フランス政府が定めたもので、今年は17日だ。しかし、毎年販売業者による大げさなキャッチコピーばかりが話題になり、おいしいのかどうかわからないという揶揄もある。
「ヌーヴォーはフランス語で新しいという意味で、『新酒』のことを指します。フランス・ブルゴーニュ南部のボジョレー地区で造られたヌーヴォーだから、ボジョレー・ヌーヴォー。造り方も通常のワインとは異なり、その年の夏に収穫したぶどうで造ったフレッシュなお酒。旬を楽しむものなので、大勢でワイワイ飲むのにぴったりなんです」
そこで、2,000〜3,000円台のワインを中心に、小山さんがおすすめの5本を紹介
【ラピエール&シャヌデ ボジョレーヌーヴォー2016】
フランス自然派ワインを代表する造り手が生み出したピュアで芳醇な味わいのヌーヴォー。実勢価格:2,980円〜(編集部調べ)。
【ドミニク・ローラン ボジョレ・ヌーヴォー2016】
ブルゴーニュの超有名な造り手。伝統的な醸造にこだわり、豊かな果実味と香りが特徴。実勢価格:2,678円〜(編集部調べ)。
【ドメーヌ・ド・ラ・プレーニュ ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール2016】
ほろ酔いの猫が描かれたエチケットが目印。クリーミーな甘味があり、存在感のある味わいが◎。実勢価格:2,916円〜(編集部調べ)。
【ドメーヌ・デュ・ヴィスーボージョレ・ヌーヴォー・レ・グリオット2016】
フルーティで甘味も酸味も強め。軽やかな味わいなのでワインをふだん飲まない人にもおススメ。実勢価格:2,516円〜(編集部調べ)。
【フィリップ・パカレボジョレー・ヴァン・ド・プリムール2016】
解禁後すぐでも、半年ほど熟成させても、繊細でエレガントな味わいの変化を楽しめる。実勢価格:3,348円〜(編集部調べ)
「解禁前に今年のものは飲めませんから、例年の傾向で評価しました。しっかりめがいいのか、スッキリめがいいのか、自然派などの造り方にこだわるのか……。最終的にはご自身の好みで選んでください」(小山さん)