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いよいよ夏休みも始まり、子どもを連れて実家に帰省する予定という人も多いはず。年老いた両親の喜ぶ顔がみられてうれしい半面、使わなくなった家具や衣類など、実家にためこまれたモノの多さに驚くのも帰省のお約束。

 

「親が元気なうちに、実家の片づけを手伝ってあげることは、暮らしを快適なものにしてあげられるだけでなく、じつは親子関係を見直すいい機会にもなります。たまったモノを整理することで親の思いに触れることができ、家族の絆も深まりますよ」

 

そう語るのは、掃除・片づけ・生前整理のプロで生前整理アドバイザー認定指導員も務める大津たまみさん。遺品整理も含む1万件以上の掃除・片づけ現場を手掛けた経験から「親だけでなく自分も元気なうちに実家を片づけておけば、その後、お互いに“悔いのない”人生が送れます」と提言する。

 

親戚が集まったり、お墓参りがあったりと、「家族」やこれからの自分のあり方について思いをはせることが多い夏の帰省は、実家の片づけに取り組む絶好のチャンスだ。そこで、大津さんが実家の片づけを成功させるポイントを教えてくれた。「モノ」「心」「情報」の3つの整理が成功のカギだ!

 

【ポイント1】まずは整理するものを4つに分類することから

 

単純に「いる・いらない」で簡単に割り切れないのが、実家のモノの特徴。まずは大きなブルーシートを用意し「いる」「いらない」「迷い」「移動(思い出)」と4分類しよう。

 

「『いつか使える』という空き箱類は思い切って『いらない』へ。思い出として残すか手放すか即断できないものは『迷い』へ分類し、半年後に改めて仕分けを。ほかの部屋へ移動したり、親御さんにとってもっとも大切な品を入れる『思い出箱』を作って、そこにしまうものは『移動』へ分類!」

 

【ポイント2】捨てられないトップ3は、本・衣類・紙類

 

本はさまざまな方法でリサイクルが可能なモノ。みすみす「死蔵」させてしまうのではなく、見知らぬ誰かに使ってもらうのだと説明し、手放してもらおう。

 

「大抵の本はまた入手することができるので、絶対に残したい本以外は古本屋などへ。衣類やバッグは、2年以上使用していなければお別れのタイミング。紙類は思い出につながるものも多くありますが、雑誌の切り抜きやメモなど用済みになっているものは処分して」

 

【ポイント3】大きな「モノ」こそ大胆な処分が必要

 

大きなモノを手放すと、変化を実感しやすいのでオススメ。

 

「粗大ごみとして処理するのがいちばん簡単ですが、自治体によって取扱い方法が異なるので事前に確認して。また、ダメ元でリサイクルショップに買い取りを依頼するのもテ。値段がついたらラッキーくらいの気持ちでのぞみましょう」

 

自治体のホームページをチェックしたり、リサイクルショップと交渉したりするのは老親にはハードルが高いので、ぜひ協力してあげて。

 

【ポイント4】膨大な写真は厳選してベストショットアルバムに

 

思い出が詰まっており、もっとも整理が難しいのが写真。

 

「親のベストショットアルバムをいっしょに作ってあげましょう。まずは時系列に『輝いている親の写真』をざっくり100枚ほど選別。その際はデジカメに入れっぱなしの写真も忘れずに!さらにそこから30枚程度を厳選し、アルバムに収めシールなどでデコります。親の人生の軌跡が可視化され、親子の絆も深まりますよ」

 

残った写真は「思い出箱」へ。

 

【ポイント5】古い手紙や年賀状は「情報」と「思い出」に分類

 

親が年賀状を捨てられない主な理由は2つ。

 

「1つは、住所録として。こちらは単純に『情報』として残しているので、アドレス帳などにまとめてあげれば手放すことができるでしょう。もう1つは写真、つまり『思い出』として。こちらは写真と同じところに移動しましょう。そのうえで、大事なものを厳選し『思い出箱』に保管」

 

手放す際は、住所や氏名が隠せる専用のスタンプなど、個人情報の取り扱いに細心の注意を。

 

「もったいない」が口癖の親世代と上手に折り合いをつけながら、今年の夏こそ、レッツ片づけ!!

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