「電気代が30%減る」と話題に…”東大式節電術”の極意
2011年度、ピーク時の最大使用電力が前年比30%減、全施設合計の使用電力は前年比13%減を達成した東京大学。夏に向け、日本中で節電が注目される昨今、その”東大式節電術”が話題となっている。
「節電の目標数値の告知を徹底したり、現在の使用電力量が一目でわかるようにするなど、数値の『見える化』に取り組みました。だからこそ、生徒や職員一人ひとりが常に『節電』を意識することができたのだと思います」
そう話すのは、東京都文京区にある本郷キャンパスなど主要な5つのキャンパスの省エネを取り仕切る、『東大サスティナブルキャンパスプロジェクト室』室長の磯部雅彦工学部教授。
震災後、東大が目標として掲げたのが『30%節電』。この30%という数値を共有化するために、廊下や教室にポスターを貼った。また、東大のHPでは本郷キャンパスはじめ、駒場Iキャンパス、白金キャンパスなど、キャンパスごとの使用電力量を1時間ごとに更新、公開しキャンパス同士の競争意識を高めた。目標ラインを越えそうなときには校内放送で節電を呼びかけた学部もあったという。
節電意識を高めることが節電成功につながるのは家庭でも同じ。では、東大の『見える化』を家庭ではどのように取り入れたらいいのか? 磯部教授に聞いた。
「まずは目標を設定すること。家庭内でも電気量○○%カット、電気料金を○○円削減、など目標を紙に書いて貼ってほしいですね」
ほかに東大で効果があったのは、電気使用量が大きいときの校内放送。これを家庭で実践するには、玄関のドア付近に設置されている電気メーターチェックが効果的だという。
「メーターには1カ月分の使用電気量が積算されていきますから、決まった時間にメーターをチェックして、1時間分の使用電力量を同じ日の別の時間帯や、翌日の同時刻の電気量と比較すれば、使いすぎかどうかがわかります。使いすぎのときは家族に『電気を使いすぎ』と呼びかけてほしい。また、こまめに家電のスイッチを切れば、家庭でも30%減は可能です」