「電力の完全自給自足生活を始めて約10カ月。季節も一巡しようとしていますが、想像以上に順調です(笑)。晴れた日は電気も余って、使い切れないことも。さらに、家電を使うほど発電機を刺激するのか、発電量も上がるんです!」
そう語るのは、自然療法士のサトウチカさん(32)。昨年9月、精密機器メーカー勤務の夫とともに、田んぼが広がる神奈川県横浜市戸塚区郊外で、太陽光発電で電力を完全自給する2LDKのオフグリッド(送電線につながっていない)ハウスを新築。屋根には8枚の太陽光パネルが取りつけられ、ここで発電。電力は自宅裏の物置にある再生鉛のバッテリーにためることで、電力自給生活を送っている。
自給自足といっても、サトウさんの家庭はごくふつう。冷蔵庫も洗濯機も、エアコンもついていて、リビングにはパソコンもあるし、スマホだって使っている。それでも、サトウ家の消費電力は、1日平均3キロワットアワー。日本の住宅の消費電力は平均9キロワットアワーというから、およそ3分の1程度だ。
原油価格の下落によって、7月の電気料金は値下げすることが発表されたが、7〜8月が年間電力消費量のピークであることに変わりはない。そこで、夏本番が近づく今回、佐藤さんに自然療法士としての知見も交え、夏の節電術を教えてもらった。
【塩を取って節電体質になる!】
夏は塩の入れ替え時。3食のみそ汁と1日1個の梅干しでエアコンいらずの体質に!サトウさんは夏場、1日20gは塩分を摂取(塩分摂取量はあくまで健康な30代であるサトウさんの場合。年齢に応じて、無理のない塩分摂取を)。自然療法では、夏は体内にたまった古塩(動物性の脂などと一緒に蓄積され、毒素となる)を排出し、新しい塩と入れ替える時期ととらえられている。体が強くなり、エアコン依存を解消。
【夜はLED2つしかつけない!風呂場の電気もつけない】
家の中に9個あるLEDのうち、リビングにある2つだけを点灯と仮定。これで、1カ月169円の節電に。
【「万能スプレー」で快適に】
材料(30ml)・ゼラニウムの精油……3滴。ペパーミントの精油……3滴。精製水……25ml。エタノール(ウオツカやホワイトリカーでもOK)……5ml。スプレーボトル。
作り方・1.スプレーボトルにエタノールを入れる。2.1に精油を各3滴ずつ入れ、フタをしてよく振る。3.フタを開け、精製水を入れて再度フタをしてよく振ったら完成!
「万能スプレー」は冷却効果のあるハーブの力でほてりを解消し、真夏の直射日光にも熱帯夜にも効果的。冷蔵庫で冷やしておくと、冷却効果がさらにアップ!
【便座ヒーターはコンセントをはずす。冷蔵庫の庫内設定温度を「強」から「中」に!】
これで、1カ月で488円の節約に!
【窓という窓を開け、扇風機を使うことで風の流れを作る】
サトウ家では3.11以降、昼間エアコンは使わなかった!消費電力560Wのエアコンを8時間使う(134.4kWh/2,611円)代わりに、50Wの扇風機を使用(12kWh/233円)。どうしてもエアコンが必要な場合でも、設定温度を1度上げるごとに約10%節電となる。
【麻や綿のワンピースで過ごす】
化学繊維はべたつく。さらっとした天然素材で通気性のよい服を着ると体感温度も2度は低下!
【室外機の上や周辺にモノを置かない】
室外機の風通しのよしあしによって、電気代が1,000円ぐらい変わるともいわれている。
【ゴーヤのグリーンカーテン&ベランダに打ち水】
これだけで、室外温度が3〜4度変わるともいわれている。
オフグリッドは難しくても、これだけ節電できれば、お財布にも地球にも格段に優しいはず!