2015年8月末。宮城県石巻市田代島の仁斗田港に、「こっち、こっち!子猫が、“すのこ”の下で衰弱してる!」という女性の声が響き渡った。小雨がそぼ降る、少し肌寒い夏の終わりの午後のことだ。声の主は、ドイツ在住の獣医師、クレス聖美先生(62)。4年前の東日本大震災の後、彼女は2カ月に1度、この島にやってくる。この島に暮らす猫たちに、ボランティアで医療を施すためだ。すでに来島...

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