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楽しく、幸せなねことの暮らし。でも、不調やトラブルは突然やってくる。そこで、猫専門医の服部幸先生が、悩みをズバリ解決する「にゃうにゃう猫生相談」!今回も、悩めるねこからこんな相談が届いた……。

 

【Q】「元ノラのキジねこ、11歳です。私は大人になってからいまの飼い主さんと出会って、5年ほどいっしょに暮らしています。飼い主さんはよく遊んでくれるのですが、つい本気でねこぱんちを出したり、爪を出してひっかいたりしてしまいます。『ねこの性分だ』と、許してくれるといいのですが……」

 

【A】「飼い主が『痛がっている』ということだけでも伝えるのは、ひとつの手かも」(服部幸先生)

 

これは、ねこが飼い主になついているかどうかの問題ではありません。幼少期に「これ以上は危ないからダメだよ」という教育をされていない場合、ねこは遊んでいるつもりでも、強くたたいてきたり、ひっかいてきたりすることがあります。人間が新生児からねこを育てる場合や、大人になったノラねこを引き取るなど、子供のうちにコミュニケーションを取れる環境でトレーニングを受けていないと、ねこも「加減」がわからなくなってしまうのです。コミュニケーションは対人間だけでなく、ねこ同士の触れ合いも含まれます。

 

ねこがコミュニケーションを学べる時期は、3〜7週齢といわれています。これは人間でいうと2〜7歳くらい。ねこは生まれてから1年で、人間でいうと18歳くらいにまで成長するため、幼少期が短いのです。大人になってから習性を変えるのは難しいです。その子のキャラクターとして受け入れる必要もありますが、飼い主が「痛がっている」ということだけでも伝えるのは、ひとつの手かもしれません。

 

ただし、表情がこわばっていたり、近づくだけで「シャー」と威嚇したりするようなケースでは、なついていない可能性も考えられます。その行動が遊びの延長なのか、ねこの表情が見分けるポイントになるのではないでしょうか。

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