被災地・石巻でグリーンジャンボ宝くじ1等5億円当る
「今でも、津波で濡れてシワくちゃになったお札を差し出す方がいます。それを目の当たりにすると、震災当時が鮮明に浮かんできて」
こう話すのは、今回のグリーンジャンボ宝くじで5億円(1等・前賞4億円と後賞1億円が別の当選者)が出た、宮城県石巻市『イオン石巻CC』の販売員・佐藤晴子さん(42)。実は佐藤さんも自宅と実家が津波で全壊、母親を亡くしている。
「開店して5年、これまで億が出たことが1度もなかったんです。宝くじは夢を売る仕事なので、笑顔で売るのが原則。でも売る私もお客さんも被災者で、こんなときに笑顔をつくっていいのか、正直迷いました。でも高額当選が出れば、みんな、また笑顔に戻ると思ってがんばってきました。願いが叶ってよかった」
また、同じく被災地、福島県南相馬市の『ダイユーエイト鹿島店』からも5億円(前出と同様に4億円と1億円)が出た。『ダイユーエイト』は福島県を中心に展開するホームセンター。販売員の塩沼晴美さん(50)はこう語る。
「震災翌日、ホームセンターはとても営業できる状態ではなかったのですが、屋根に掛けるブルーシートと食料品と水だけはみんなが必要になるだろうからと、店長自らが店内から在庫をすべて担ぎ出して店頭に並べたんです。あの店長の思いが5億円という奇跡を呼んだんではないかと思っているんですよ」