’15年は、宝くじが誕生して70周年! 「ミス宝くじ」は’64(昭和39)年に、宝くじ20周年を機に選定されたもので、初代は若紗ひとみだった。’66年から2代目ミス宝くじを務めたのが、女優の柏木由紀子さん。彼女に当時の話を聞いた。
「宝くじが発売されるたび、その告知ポスターのモデルになるのがおもな仕事。電車の中吊りになっている自分を見て、『これはよく写ってるな』とか『これはイマイチ』とか思っていたのを覚えています」
柏木さんは小学5年生のとき「劇団若草」に入団。雑誌『女学生の友』のモデルなどを経て、高校2年のときに女優デビュー。ミス宝くじを務めた当時は’65年に歌手デビューしたばかりだった。
「ポスターのほか、抽せん会の仕事もありました。抽せんが終わったあと、ステージでデビュー曲の『若い真珠』を歌ったのもいい思い出ですね」
いちばん印象に残っていることは?
「ミスになってすぐに、当時、内幸町にあった日本勧業銀行(現・みずほ銀行)本店に連れていってもらったんです。広いフロアの片隅に、きれいに片づけられたデスクと椅子があって『これが柏木さんのデスクです。任期中はいついらしてくださっても結構ですよ』と言われたことかしら。銀行員といえばあこがれの職業でしたから、一時とはいえ銀行員になった気分で、すごくうれしかったですね(笑)」
それが縁で、自分でもときどき宝くじを買うようになったという。柏木さんといえば、’85年の日航ジャンボ機墜落事故で亡くなった、夫の坂本九さんを思い出す人も多いだろう。
「夫も宝くじが好きで、よく買っていましたよ。私自身は正直、いつも末等しかあたったことがないんですが(苦笑)」
今では、身近な人へのプレゼント用としてジャンボ宝くじを買うことが多いそうだ。