ペット高齢化時代到来で進化する「驚愕医療バックアップ体制」

高齢化は人間社会だけではない。ペットたちの寿命もまた延びている。一般社団法人・ペットフード協会による平成23年度の調査によると、犬の平均寿命は13.9歳、猫は14.4歳だという。

「この10年でペットの寿命は約2倍に延びています。ペットフードの質が向上し、生活環境が整った中での生活は長生きします。すると人間と同じような病気が起きてくる。心臓疾患、がん、糖尿病の三大疾病から腎臓障害、膝関節などの炎症(骨粗しょう症)は増加するばかりです」(日本小動物獣医師会・石川允朗事務局長)

同時に、ペットのための医療体制もどんどん進歩している。近年、夜間対応の病院も増えているが、24時間救急病院として40年の歴史をもつ『日本動物医療センター』の上野弘道副院長は言う。

「この15~20年で医療水準も急速に高度化しています。早い対応であればあるほど的確な処置ができるので、あわてずに電話をしペットの状態を獣医に説明して搬送までの指示を受けることです。24時間救急病院なら夜中でも手術は可能ですし、異変にも即座に対応できます」

ペットも高齢になると寝たきりになったり、病院までの移動が困難になることがある。ペットのために往診もしている『麻布十番犬猫クリニック』の島田健一郎先生はこう言う。

「かかりつけ医の仕事は地域密着であること。飼い主さんの身近な相談役ですね。年齢に合わせての食事や運動の指導をしたり、重い病気の場合は専門病院を紹介したりします」

だがペットの治療費は自由診療だ。高額になるのでは、という不安を解消してくれるペット保険もできている。『アニコム損害保険株式会社』には、かかった治療費の70%が支払われるプランと50%が支払われるプランがある。(いずれも限度額の範囲内))

「ちょっとした病気でも費用のことは気にせず病院に行けるので早期発見、早期治療ができます」(同社広報担当・塩澤みきさん)

ペットの高齢化に伴い、医療もどんどん進歩している。

関連カテゴリー: