「眼科医として年間約2万人の患者さんを診察していますが、多くの方が視力アップすること
に成功しています。視力は自力でいくらでも回復することができるんです」と話すのは、ほん
べ眼科院長の本部千博先生。
本部先生は、目の老化をくいとめるポイントとして『目をきちんと使う』ことと『脳を活性化
させる』ことの2つを上げる。目でものを見る行為は脳の働きにも大きく関わっており、脳を
使うことで老化はくいとめることができるというのだ。そこで、本部先生に脳力を鍛えて視力
をアップする生活習慣のポイントを教えてもらった。
【ポイント1・目だけを動かそう】
「視力を健康に保つには、眼球の周りの循環をよくしておくことが大事です。生活の中で手元
や近くを見続けたら、少し遠くのものを見るなどいろいろな距離や場所(上下左右)にピント
を合わせてみましょう。これだけで眼球を支える筋肉などのストレッチになり、目の周囲の血
液やそのほかの体液の循環をよくすることができるんです。コツは顔を動かさずに目だけを動
かすこと」
【ポイント2・視野を健康に保つコツ】
「目は片方の目の視野で上下は約130度、左右は160度といわれています。両方の目ではズレ
の分、視野は広がり左右で約200度になります。ズレの補正は大脳が行っています。視野を健
康に保つには、ふだんから目を正面に向けたまま自分の左右の横のどこまでが見えるかを意識
することが大事です。スポーツ観戦、特に左右に目を動かすテニス、バレーボール、サッカ
ーなどはお勧めです」
【ポイント3・目、首、脳の連携プレーが重要】
「最近、首のトラブルから視力低下を訴える人が急増しています。デスクワーク、テレビ鑑
賞、読書など、長時間おなじ姿勢で目を酷使すると首はカチカチに。ケアをせずに連日このよ
うな状態が続けば頸椎にゆがみがでて、血流が悪くなり、視力にも影響が出てきます。ふだん
から首を動かし、首や肩がこればお風呂でほぐすなどのケアを心がけてください」
【ポイント4・ストレス緩和で目と脳を癒す】
「交感神経は脳と体を活発に動かし、副交感神経はリラックス状態にします。目は交感神経が
優位に働く状態が続くとピントが合いにくくなります。ドライアイの人も交感神経が活発にな
っています。休むときはきちんと休んで、ストレスを緩和できる生活習慣が副交感神経を優位
に働かせ、それがひいては目の健康と老化防止に役立ってくれるんです」