天才たちは激しく周りとぶつかる。それでも母は「能力を最初に発見するもの」として、我が子の可能性を信じた。彼女たちの子育てに共通するのは「背中を押すひとこと」で、子どもの才能を伸ばすことだった。
【レディー・ガガの母の場合】感性のまま伸び伸び成長したガガ(26)は、お嬢様学校で有名な私立高校生のときも、周囲と違うスタイルだったため激しいいじめに遭い、15歳から拒食症と過食症を繰り返した。そのとき、母・シンシアは娘を勇気づけた。
「あなたはちっともヘンじゃないわ」――と。ガガは自分がユニークな存在になれたのは「ヘンじゃない」と言って、母が自分の生き方を認めてくれたからだと思っている。
【スティーブ・ジョブズの養母の場合】ジョブズ(1955~2011)は自分が養子だと小さなころから知っていた。しかし彼は、実の親に捨てられたというよりも、養父母に大切にされている実感で、自分は特別だという感覚を強く持って成長した。小学3年生が終わるまでにジョブズは、素行が悪く何度も家に帰されたことがある。
しかし養母・クララも、そのころすでにジョブズを特別な子どもだと認識しており、「息子が授業を面白いと思えないのは、先生の問題だ」と両親揃って抗議した。4年生が終わるころ、担当教師がジョブズに知能検査を受けさせたところ、驚くことに高校2年のレベルの成績だった。
【ジョン・F・ケネディの母の場合】ケネディ(1917~1963)の母・ローズは、食堂に子ども掲示板を置き、新聞や雑誌の切り抜きを貼っていた。その掲示板で毎夕、子どもたちが自然発生的な会話をできるようにしたのだ。
そして「他人から笑われることを心配しないで話してみて。しゃべりだす前にちょっとだけ考えて」とアドバイスした。また、「重要なことはやってみること。うまくいかなかったら、残念だけど後悔しないで、次の機会にもう一度やりなさい」と教えた。