夏休み最終段階……でもまだ自由研究が……というお子さん、パパ、ママのために「駆け込みで、最終日に半日もあればできるものを考えてみました」と言うのは、データ収集・調査が得意な、コラムニストの堀井憲一郎さん。「小学校低学年でも」と、こんなテーマを教えてくれた。
☆「成功する確率」を考えてみよう!
「けん玉、鉄棒、ヨーヨーなど、ふだんハマっている遊びやスポーツの、成功する確率を数えてみましょう。それだけで、途端にその遊びは調査に変わります。メモ帳とペンを用意して、成功した回数をその場で書くだけ。あとで書こうと思っても、忘れてしまうので要注意」
調査には、比較の対象があることも大切。なので、きょうだいや友達との「共同研究」にして、お互いの確率を書いていくと、調査に厚みが出る。「調査」と称して、楽しみながらやれるものを選ぶことができるのもうれしい。
☆駅で、往来する人を数えてみよう!
「駅前に1時間、立って、降りてくる人を観察するだけでも立派な調査になります。暑い日なら、帽子をかぶっている人が午前中に何人いたか、午後になると何人に増えたか、あるいは減ったか。ヒゲをはやしている人は何人いるか。人に何かを尋ねるという調査法は、自分がほしい答えがかえってこないことがほとんどなので、おすすめしません。黙ってカウントできる調査がいいですよ」
往来の多い駅なら、「自動改札を止めてしまう人の特徴」を調べるなんていうのもアリ。さらに隣の駅と比較すると、駅によっての違いが出てくるかもしれない。自分の好奇心や興味を調査対象にしてしまえば、素材に不自由はしないはず。
☆家の中を探検してみよう!
「押入れの中などを探検してみて、そこにあった古いものや名前のわからないようなものをスケッチするなり、写真に収めるなりして、由来や名称を調べます。今は使われていないものがあったとしたら、それはなぜなのか?レコードやフロッピーディスクなど、進化の過程で“絶滅”したものは、最近でもいっぱいあります。パソコンで調べても、家の人に聞いてもいい。物持ちのいい家なら、かなり大がかりな調査になります」
親に叱られないように、散らかしたら元に戻しておくことがポイント。
「こうして見渡してみると、調査の材料はいくらでもあります。コンビニによく行くなら、各社のサンドイッチ比較とか、地域の公共トイレの調査なんていうのも壮大ですね。夏休みの最終日をどれだけ充実させられるかは、あなた次第です」