地元の野菜や魚、特産品が購入できるのは当たり前、道の駅は年々進化している。
「道の駅はその土地で取れた野菜などを売る直販所から始まりましたが、いまや名物やご当地グルメを目当てに、遠方から来る人たちでにぎわっています。道の駅グルメナンバーワンを決める『道-1グランプリ』を受賞して売り上げが倍になり、地域おこしに一役買っている道の駅もあります」
そう語るのは、全国1145カ所の道の駅情報サイト「みちグル」を運営する柴田敬介さん(XS代表取締役)。
今年4月にオープン、連休中には約2万4,500人もの人が訪れたという道の駅「おおゆ」(秋田県)。
「十和田八幡平国立公園の玄関口、大湯温泉郷に建てられたのですが、設計を担当したのは、新国立競技場の設計で知られた隈研吾氏。世界的に有名な建築家が、道の駅を設計するのは珍しいです」(柴田さん・以下同)
“地域の縁側になる”をコンセプトに、平家の建物には秋田杉を使い、軒先には足湯もある。なんといっても目玉なのはグルメ!
「食べログの肉バルランキングで全国1位を獲得した店が監修しているレストランでは、鹿角市の特産・かづの牛のハンバーガーや、八幡平ポークを使った丼ものなど、ご当地グルメが堪能できるのがポイントです」
道の駅「木更津うまくたの里」(千葉県)は、地元の特産品が2,000点もそろって、“食のテーマパーク”として話題を呼び、昨年10月にオープンしてから来場者は150万人を突破したほどだ。
「名物のピーナツを使ったお菓子は量り売りスタイルで、ピーナツのオブジェなど、見せ方も凝っています。醤油ベースの調味料がずらりと並び、地元の行列ができるお店とコラボしたカフェレストランでは、ローストビーフやスイーツなどを食べることもできます」
道の駅「阿賀の里」(新潟県)では、日本海の海の幸に舌鼓を打ちながら福島県、群馬県から新潟県へと流れる、阿賀野川の舟下りが楽しめる。また、魚市場「魚匠」では、魚介類を味噌やこうじに漬け込んだ漬魚などがお土産で人気だ。
道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」(京都府)は、抹茶のパウンドケーキ(1,200円)など抹茶ベースのスイーツが大人気で、「村抹茶ソフトクリーム(400円)は濃厚でおいしい」と、柴田さんも太鼓判。
「道-1グランプリ」で2年連続3位に輝いた道の駅「うずしお」(兵庫県)が誇るのが、全国ご当地バーガーグランプリ(’13年)を受賞した「あわじ島オニオンビーフバーガー」(648円)。淡路島の特産品玉ねぎを使い、年間15万個も売るほどの人気ぶりだ。
「立地条件はあまりよくない場所でも、ヒット商品が出て来場者が増え、地域が活性化した例です」
通過するだけではもったいない、道の駅を満喫したい!