「政府も含めて、さまざまな業界が新たな取り組みをはじめることによって、消費者も懐ろ事情に影響を受けます。いまの景気状況を踏まえて、『いかに賢く消費できるか』が、あなたの家計を決めるといっても過言ではありません」

 

そう語るのは経済評論家の加谷珪一さん。加谷さんはこれまで数千人の消費行動をサンプリングし、お金持ちがじっさいに行っている生活習慣を研究してきた。毎日の生活習慣によって、お金が貯まるか貯まらないかが決まるといっても過言ではない。お金持ちの人は、意識的に自分の習慣を見直しているという。そこで加谷さんから「住宅」「節約」をテーマに、なかなか実行に移している人が少ない意外な「貯まる習慣」を教えてもらった。

 

【住宅編】

 

■いまから家を買うなら固定金利

「安倍首相が金融政策によって、日銀が量的緩和政策を取りやめた場合、金利が上昇する可能性があります。そうなると、たとえば変動金利で月々15万円返済している場合は、返済額が16万円に上がるということも十分ありえます。新しく住宅を購入しようとする人に対して、ほとんどの銀行はいま、変動金利を勧めてくると思いますが、これからの経済世相を考えるとそれは危険。固定金利で購入するのがよさそうです」(加谷さん・以下同)

 

■人が「買いたい」家を買う

「家の購入は一生に1度だろうと、自分の趣味に合わせて、かなり凝ったカスタマイズをする人がいます。しかし近年、そのような住宅に対して『買い手がつかないなら市場価値がない』と、銀行が判断してしまう風潮にあります。銀行にそう判断されてしまうと、住宅ローンも条件が厳しくなり、いざ売ることになってもまったく買い手がつかない、という事態に……。住宅を購入するときには『おおむねいくらで売れるか、買い手はつくのか』ということを考えて購入すべきです」

 

■光熱費を削ろうと努力しない

「家計全体で考えれば、交際費などと比較しても、光熱費は大きな数字にはなりません。ここをケチるのは、それほど効率的ではないですし、冷暖房やリビングの電気などを使わない生活は、精神的にもよくありませんよね。しかし、電気代を努力なしに、年間で2万~3万円ほどコストダウンする方法があります。それは、窓を二重窓にしたり、断熱材を使ってリフォームするなどして、家の中の温度を外気温で左右されないようにすること。初期費用はかかりますが、自然災害によって電気・ガスなどのインフラが止まったときの対策にもなります」

 

【節約編】

 

■家族全員の年金額を知っている

「家族全員が、年金を月々いくら支払っていて、世帯では合計いくらになるのかを、知らない人が意外と多いんです。将来、いくら年金を受け取れるのかを知らなければ、老後の見通しも立ちません。お金持ちの多くは、世帯全体での収支を把握できている傾向にあります。WEBサイト『ねんきんネット』や、年に1回自宅に届く『ねんきん定期便』を見れば、自分の年金額が調べられますから、家族全員の年金額を知るのもそう難しいことではないと思います」

 

■家族全員の保険料・保険金を正確に把握している

「年金額と同じく、保険料もどれくらい支払っているのかを正確に把握する努力をしましょう。日本は高額な医療費は国が負担してくれますから、たくさんの医療保険に入るメリットはほとんどないといえます。支払っている保険料に見合った保険金が受け取れるのか、最低1年に1回は保険を見直したいものです。電気代をケチるよりも、保険の見直しをするほうが家計にとってよほど大事です(笑)」

 

■退職金をもとにした投資はしない

「退職金はボーナスではないので、リスキーな投資につぎ込むべきではありません。投資は経験が物を言う世界、会計士やFPでも投資をしていない人はたくさんいます。まだ退職まで年月がある人は、いまからでも少額投資の勉強をはじめてみましょう。もうすでに退職している人は、投資より先に再就職を考えるほうが、家計にとっては得策です」

 

あなたが意識できていたことはどれだけあっただろうか。自分の習慣や支出を見直して、’19年を“リッチ”に過ごそう。

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