お金の問題など、長く生きていれば必ず何かしら想定外のトラブルに巻き込まれるもの。そんなときに頼りになるのは友人の“同情”ではなく、プロの的確なアドバイスだ。

 

「アメリカでは、各家庭のマネープランについて、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談することが一般的と聞きます。目先の費用はかかりますが、トータルで見ると得をするためでしょう」

 

そう語るのは、行政書士やFPなど、587もの資格を持つ“資格マスター”の鈴木秀明さん。確かに、人生には家を買う、遺言を残すなど、プロのテクニックや情報力に頼るべきポイントがある。そんなとき、誰に相談して、費用がいくらかかるのか――。

 

こうした疑問に、「レイ法律事務所」松下真由美さん、「東京法務司法書士事務所」岡部美里さん、「こちらOK行政書士事務所」勝桂子さん、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんら“その道のプロ”が答えを教えてくれた。

 

■子どもが自転車で老人にけが

 

スマホ片手にイヤホンをして自転車に乗っていた子どもが、老人にぶつかって大けがをさせたり、夫が通勤電車で痴漢容疑をかけられ、突然「ご家族が逮捕されました」と警察から連絡があったら、どう対処すればよいのか……。

 

「まずは弁護士に連絡すべきです。逮捕された場合、身柄は最大72時間拘束され、逃亡や再犯の恐れがあれば、さらに20日間、延長されます。仮に学校や会社を何日も休むことになると、勤務先に逮捕の事実が伝わり、冤罪であってもマイナス評価につながります。速やかな釈放が必須です」(松下さん)

 

■退職金の使い道や年金受給

 

退職金を資産運用に充てるべきか、住宅ローンの残金を一括返済すべきか、はたまた年金を受給するタイミングをいつにすればいいのかなど、リタイア後の資金計画はFPが相談に乗ってくれる。

 

とくに公的老齢年金は、受給開始時期が大きなポイント。65歳から1カ月早めるごとに0.5%ずつ減額、60歳から受給を受けると年金額が約30%も減ってしまうので慎重な判断が必要だ。

 

「60歳で退職しても、65歳まで再雇用されれば一定の収入が得られます。月収が減額されても、雇用保険に入っていれば減額分の一部が補填される公的制度もあります。こうした状況をトータルで見て、公的年金や、個人で行っている確定拠出年金などのベストの受給開始年齢を算出して、年金ライフのプランニングを」(風呂内さん)

 

■遺言作成・成年後見人の準備

 

遺言は、公証役場で公証人のアドバイスを受けながら、法的に問題のない形式で残すことができる。しかし、なかには事務的に進められ、自分の思いとはかけ離れた遺言になってしまう場合もある。

 

「後悔しないためにも、行政書士や司法書士、弁護士に遺言作成(10万円前後〜)を依頼するのも、1つの方法です」(勝さん)

 

認知症などによって財産の適切な管理ができなくなった場合、お金の管理、介護状況や介護施設の選定などを請け負う成年後見人に任せる人も多い。

 

「こちらは弁護士やリーガルサポート(成年後見センター)所属の司法書士だと相談しやすいでしょう。地域包括支援センターに相談すると紹介してくれると思います。成年後見人の費用は月1〜5万円です」(岡部さん)

 

■遺産相続

 

遺産相続の最大の山場は、遺産分割協議書に、当事者全員が署名押印をすること。通常、依頼先は司法書士や弁護士だ。

 

「ごく一般的な家庭では30万円ほどが相場でしょう。親族間に争いがあったり、連絡がつかないほど疎遠になっていたり、感情的なもつれがあって相続放棄するなど複雑なケースは、基本料金に、財産が500万円以上の場合はその1%を加算していくと費用設定していることも。トラブルがないよう、費用の確認は忘れずに」(岡部さん)

 

■墓じまい

 

遠方にある親の墓を閉じて、近所の墓地や納骨堂に合祀したいというニーズは高い。改葬手続きは、墓のある役所と移転先の役所に書類を提出するだけなので、個人でも可能だし、行政書士には1万円〜で依頼できるという。

 

問題は、菩提寺から「今後30年間の法要料を払わないと、お墓の移動は認めない」と、多額の“離檀料”を請求され、それを支払ってしまうケースもあること。

 

「お寺との交渉が必要になった場合、改葬手続きに慣れている行政書士に頼むとスムーズ。トラブル内容によりますが、費用の上限は15万円ほどでしょう」(勝さん)

 

弁護士は「法テラス」「日弁連」、司法書士は「日本司法書士会連合会」、行政書士は「日本行政書士会連合会」、FPは「日本FP協会」の公式HPなどから全国支部や相談窓口を探すことができる。誰もが遭遇する、人生の岐路。プロの知恵で乗り越えよう。

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