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「私は20代で医療機器販売会社を起業するにあたり、在日華僑社会で知らない者はいないといわれる大物華僑に1年間、師事しました。その結果、起業して1年目に年商1億円を突破することができたんです」

 

こう話す大城太さん(44)は、現在、5つの会社を経営するビジネスオーナー。これまで『華僑の奥義』(日本実業出版社)など多くの著書で、自ら華僑から学んだスキルを公開してきた。

 

「華僑とは、世界各地に住む中国人の総称です。非常に団結力が強く、異国の地で成功を収めている人が非常に多い。そのマネー哲学も独特。お金の話には、つねにオープンでドライ。そのしたたかなマネー術は、華僑の奥さんたちにも共通しています」

 

そこで今回、大城さんが華僑やその夫人から学んだ「一生お金に困らない奥義」を紹介してくれた。

 

■“大きな声”は出さない

 

「中国人は声が大きい印象がありますよね。それは中国語の発音がおなかから息を出さないと発せられないことによるといわれています。ところが華僑のエリート一家はみんな声が小さいんです」

 

不思議に思った大城さんが師匠に尋ねると……。

 

「まわりが大声の中で、小声で話すことに意味がある。小さい声を聞き取るには、聞く体勢にならないと聞けない。そうやって自分の価値を相手に感じさせるんだよ。自分の価値が上がれば、お金が自然に集まってくるからね」

 

小声こそ、お金に好かれる華僑の奥義なのだ。

 

■率先して“おごる”

 

「日本人が会食したときの基本は割り勘。これを華僑は『お金に好かれるチャンスを放棄している』と、よく言います。実際、華僑の間で割り勘にするところを見たことがありません」

 

これは女性同士の会食でも同じ。

 

「今回は私が出すから、つぎはあなたが出してね。おいしいものを期待してるわ」と、率先して、全員分を支払うのだとか。

 

「おごることで、今度はおごらなきゃと、また会う機会ができる。そうやって会食の回数を増やす理由づくりが“おごる”という行為。人間関係がお金を集めてくると考える華僑らしいやり方です」

 

■“メール”には頼らない

 

「これだけインターネットやスマホが普及した今も、華僑の人は基本、連絡を取るときに直接会うのが第一で、第二は電話。メールはほとんどしません」

 

こう大城さんは断言する。

 

「まず相手に、わざわざ会いに来てくれたという借りを作らせること。こうした気持ちの貸し借りがお金を招くと考えているのです」

 

また対面や電話と違って、メールはやりとりが証拠として残る。

 

「それは暗に、相手のことを信用していない、自分のことも信用されていないと言っているようなもの。信用のない関係ではお金のやりとりはできないし、お金を増やすこともできない。メールに頼りすぎない人間関係が、お金を増やすには大切なんです」

 

大城さんを成功に導いた華僑の教え。ぜひ実践してみよう。

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