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「片づけとは、物を動かしたり、元に戻したり、並べ替えたりすることを指しますが、脳が物事を処理する能力とほぼ同じ働きです。技術の発展に伴い、私たちの生活はどんどん便利になりましたが、一方で、生活がパターン化し、脳の使われる部分が限定され、使われなくなった部分は衰えています。その結果、一人ひとりの処理能力のクセ(得手不得手)が、片づけにも影響しているのです」

 

脳内科医の加藤俊徳先生はこう話す。著書『部屋も頭もスッキリする! 片づけ脳』(自由国民社)の中では、脳の持つ働きを部位別に明確にし、8つの脳タイプに分類している。ここではそのうち「記憶系」脳をピックアップ。「記憶系」脳がうまく使えていないとなぜ部屋を片づけられないのか、さらにはそのトレーニング法も紹介。まずは、次のチェックリストを。多くチェックがついていたら、あなたがきたえるべきは「記憶系」脳だ。

 

□人から言われたことをすぐに実行できない
□手書きする機会が減った
□出かけるときは人を待たせることが多い
□決めたことをコツコツ続けられない
□過去を振り返る時間をつくらない

 

「決まった場所に戻す」ことが片づけの極意だが、映像記憶に関係する右脳の海馬が衰えると、元の状態を覚えておくことができないため、実行に移すことができない。スマホから押し寄せる新しい情報をただ受け入れる状態でいると、過去の記憶が上書きされて消えたり、新しい記憶がとどまらない状態になりやすい。

 

トレーニング法は次のとおり。

 

■アルバムを作成する

記憶を取り戻すためには、くり返し思い出す作業が大切。そういう意味では、写真の整理は格好の訓練だ。逆に思い出を捨ててしまうような「断捨離」はNG。アルバム作りは、過去の記憶をたどりながら、たまった画像の整理もできる。

 

■間違い探しをする

2つの絵を見比べるには、片方の絵を記憶しなければならないため、間違い探しは有効。絵が上下に並ぶものは、左右に並ぶものより記憶に必要な時間が長くなるので、より難しくなる。トランプの神経衰弱もいい。

 

■時間を決めて行動する

記憶系脳は、時間を気にしたり、時間どおりに行動することで成長する。待ち合わせに遅れてしまいがちな人は要注意。毎日同じ時間に起きたり、買い物に出かけたり、自分が今、1日のどの時間にいるかを意識して過ごそう。

 

■季節ごとに衣替えをする

季節の変わり目を意識することは、時間の流れを意識するということ。また、衣替えは衣服と思い出がリンクして記憶が呼び覚まされ、記憶力が強化される。さらに、「この服はまだ必要」「もう必要ない」といった判断力もつく。

 

■寝る時間から予定を立てる

記憶力の弱い人は、時間管理が苦手なことも多い。そこで、“逆算して”予定表を作るのがおすすめ。まずは寝る時間を決め、そこから入浴、夕食、買い物、掃除、洗濯など、逆算することで予定が明確になり、時間を管理しやすい。

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