注目集める「いじめ保険」、弁護士に依頼する費用が一部補償に

いじめやいじめによる自殺が後を絶たない。被害者側が「学校が対応してくれなかった」と訴える姿もよく目にする。そんななか「いじめ保険」が登場し、話題を呼んでいる。そこで、経済ジャーナリストの荻原博子さんが「いじめ保険」について解説してくれた――。

 

■弁護士に依頼する費用が補償される「いじめ保険」

 

いじめ保険は、いじめが起きた際、弁護士に相談し介入してもらうことを前提に、弁護士費用の一部を補償する保険です。いじめが起きたら即、保険金がおりる、というものではありません。

 

今年5月にエール少額短期保険から発売され、正式名称は「弁護士保険コモン」といいます。どんなものなのか、見ていきましょう。

 

補償は大きく分けて2種類です。1つ目は「法律相談料」の実費補償です。いじめが起きた際、弁護士に相談するには、相談料がかかります。相談料は弁護士によりますが、30分ごとに5,000円かかるのが一般的。その費用が保険でまかなえます(事案ごとに上限あり)。

 

また、誰に相談していいのかわからない方は「弁護士検索サポート」を利用し、3,000人の登録弁護士の中から、トラブルに見合った弁護士を選ぶこともできます。

 

2つ目は「法務費用」の補償です。弁護士に介入を依頼すると、着手金や手数料・日当などの法務費用が必要です。弁護士保険コモンでは最大70%を補償します。また、いじめなど子どもの問題だけでなく、ご近所トラブルや職場でのパワハラやセクハラなど契約者のトラブルもカバーできます。

 

保険料は、補償額に応じて変わります。弁護士保険コモンは月2,640円〜で、補償額の低い「弁護士保険コモンライト」なら月1,180円。保険は1年契約で、自動車保険のような等級制です。前年に保険を使わなければ、翌年は等級が上がり、保険料が安くなります。

 

いじめは人ごとではなく、「子どものために」と検討する方もいるでしょう。ですが、3つの注意点もよく確認してください。

 

【1】加入前から続くいじめは対象外

 

現在すでにいじめを受けている方は、加入できない場合も。加入できたとしても、加入前に始まったいじめは補償されません。

 

【2】加入から3カ月は待機期間

 

待機期間中にいじめが始まっても、補償の対象外です。

 

【3】補償は弁護士費用全額ではない

 

弁護士保険コモンで補償される法務費用は最大70%。残り30%は自腹ですし、弁護士の交通費など補償に含まれない費用もあります。

 

最後に、こうした保険以外にも、弁護士に無料で相談できる方法があることを知っておきましょう。

 

自治体では、定期的に法律相談を実施しています。国は「法テラス」を設置し、無料相談や弁護士費用の立て替えなども行っています。さらに「弁護士ドットコム」という法律相談サイトでも、無料のメール相談や弁護士検索などができます。

 

いじめは深刻な問題です。家庭や学校の対応だけで解決できない場合は、弁護士に頼るという選択肢があることを覚えておいてください。

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